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Toreru Media が目指すもの2023 ~今年は意見書、掘り下げます!

「知財を身近にするメディア」をキャッチフレーズに、2020年5月よりスタートした本 Toreru Media 。2周年を経過し、「コンテンツマーケティング・グランプリ2021」を受賞したり、「知財とアレエッセイ大賞」を開催し多くの応募をいただいたりと、色々なイベントがありました。

これまでメディアを続けてこれたのも、多くの方々の協力があってこそ。改めて御礼申し上げます。

本記事では、2023年1発目として、2022年のおススメ記事の振り返りと、「2023年 新たに取り組む年間テーマ」を編集部から発表します!

ゲスト原稿募集の告知もありますので、是非最後までお読みください。

1、編集部が選ぶ、2022年おススメ記事 10選!

Toreru Mediaでは記事を主に「身近な知財で学ぶ」、「知財×ビジネス」、「商標まるわかり」の3つのカテゴリに分けています。

それぞれのカテゴリより、編集部が2022年の記事からおススメ記事を計10本、ご紹介します。

(1)「身近な知財で学ぶ」シリーズ

まずは、世の中のさまざまなテーマを知財目線で掘り起こしていく「身近な知財で学ぶ」シリーズ。「おもしろ知財」というサブタイトル通り、バラエティ豊かです。

最先端のアイデアを取り入れ、時には未来を予言したとも言われる「こち亀」。本記事ではこち亀の傑作コマをもとに、実際の特許図面を検索し、どこまで似た技術があるのか?探索しました。

登録増殖中!「サウナ商標」の独占権はどこまで及ぶ? ~弁理士サウナーが解説します | Toreru Media

2021年に「ととのう」が流行語大賞にノミネートされ、2022年も続いたサウナブーム。やや過熱ぎみ?なところもありますが、関連商標も増殖中。本記事では弁理士サウナーが実際のサウナ施設を回りながら、サウナ関連商標の効力や、登録の妥当性を検討しています。

身近な娯楽として社会に浸透したスマホゲーム。キャラクターやアイテムをランダムで入手する「ガチャ」も一般化しましたが、各社による「特許の取り合い」も起こっています。本記事ではガチャ特許の登録例を紹介しながら、ゲーム×特許の存在意義について考察しています。

そのほかの「身近な知財で学ぶ(おもしろ知財)」の記事はこちらから閲覧ください。

おもしろ知財 | Toreru Media

(2)「知財×ビジネス」シリーズ

続いては、知財をビジネスに活用している例を分析するシリーズ。業界ごとに知財活用の違いがあり、編集部としても興味深かったです。

回転寿司チェーン各社の知財(特許、意匠、商標)を紹介しながら、各社のブランディングを探る記事。知財にも企業ごとの特色が現れていました。

日本最大の料理レシピサービスであるクックパッド。377万品を超えるレシピが掲載されているそうですが、レシピ投稿者・閲覧者を増やす工夫を特許面から分析します。

特許など知的財産権を取得したのは良いが、その後活用されず「休眠」してしまうのはありがちなこと。せっかくコスト・労力をかけて取得した権利なのにもったいない!

本記事では、「知財と事業をマッチングさせるクリエイティブ・メディア」である知財図鑑の荒井編集長と一緒に、知財活用の可能性を考察しています。

そのほかの「知財×ビジネス」の記事はこちらから閲覧ください。

知財 × ビジネス | Toreru Media

(3)「商標まるわかり」シリーズ

最後は、はじめて商標に触れる方、出願するかどうか悩んでいる方に向けたお役立ち記事、「商標まるわかり」シリーズ。Toreru の商標弁理士がしっかり監修し、専門的な内容をわかりやすく解説しています。

商標の重要なポイント6選 | Toreru Media

商標登録を実際に利用するにあたって知っておくべき要点を6つピックアップし、具体例を交えてわかりやすく解説しています。

「似た商標が登録されてると登録できない」、「特徴がない商標は登録できない」などの登録条件から、たとえ登録できても「言葉の使い方を全て独占できるわけでない」という商標権の限界まで、最初に抑えるべきポイントがまるわかりです。

「小説や音楽を守るのが著作権、ネーミングやロゴを登録して守るのが商標権だよね?」と何となく違いがイメージできても、具体的に説明するのは難しいもの。

本記事では具体例を挙げながら、2つの権利の発生条件・効力・存続期間などの違いを詳しく解説しています。最後にまとめもありますので、2つの違いを分かりやすく理解できます。

リソースが限られるスタートアップ企業では、商標の対応は後手になりがちなもの。ただ、適切なタイミングで商標登録をしておかなかったために、トラブルに巻き込まれた例も残念ながら多いです。

本記事では、スタートアップがなぜ商標登録をしなければならないのかや、登録のタイミング、登録にあたって気を付けるべきポイントをやさしく解説しています。

他にも「商標まるわかり」シリーズでは“アプリを商標登録するときの区分と注意点”や、“アパレル分野の商標登録の注意点は?”など、ケースにあわせたお役立ち記事を公開しています。

商標まるわかり | Toreru Media

ここまで9本のおすすめ記事を紹介しましたが、最後の1本はこちら。

2022年10月、Toreru Media主催で初の「エッセイ大賞」を開催しました。45本の応募をいただき、大賞2本、入賞作品4本を選出しています。

どの作品も力作で考えさせられるものばかり。上の結果発表記事から入賞作品に飛ぶことができますので、是非チェックしてみてください。

2、2023年のテーマは・・商標意見書!

このようにさまざまなジャンルに取り組んでいる Toreru Media ですが、毎年、年間テーマも設定し、シリーズで記事も公開しています。

☆2021年のテーマ:ブランド

記事の例:価値をブランドに転化させる Apple の知財戦略 | Toreru Media

☆2022年のテーマ:知財テック

記事の例:知財テック®︎ サービスのカオスマップ&パテントマップを公開! | Toreru Media

 

Toreru_知財テックカオスマップ2022 PDF版より

これに続く2023年のテーマですが、編集部で協議し「商標意見書」に決定しました!

 

「商標意見書」をテーマに選んだ理由は2つ。まず意見書が「商標弁理士の腕の見せどころ」であること、また「特許に比べ、商標意見書は世の中の情報が少ない」こと。

「特許請求の範囲」や「明細書」を弁理士が作成する特許の世界と異なり、商標では相談を受けた時点で、すでに「依頼人の出願したい商標」が決まっていることが大半です。

もちろん「指定商品・役務」の選択は弁理士が行いますが、商標の文字・デザインという観点では、出願時に弁理士が商標の登録可能性を変えることはできません。

ただ、商標登録は「早い者勝ち」のため、出願した商標が他社商標に引っかかり、「このままでは登録が認められません」という拒絶理由通知が特許庁から来ることが度々あります。

 

この時うまく反論して審査官を説得できるかどうか?これこそ商標弁理士の出番です。

 

反論の際、いったん出願した商標の文字・デザインの変更は、ほぼ認められません(認められるのは「JIS」「JAS」「商標」などの付記的な部分を削除する補正のみで、実務ではまず使われません)。

指定商品・役務を削除・縮小することは認められますが、実際に販売しようとしている指定商品を削除してしまうと、そもそも商標を出願した意味がなくなってしまう。

権利範囲である「特許請求の範囲」を書き換えて減縮し、登録に導くことができる特許よりも、出願商標そのものがいじれない商標では「(補正なしに)審査官に見解の違いを申し述べ、上手く説得する」正面突破力が求められやすいと言えるでしょう。

しかし、商標意見書の実務情報はあまり出回っておりません。特許を専門とする弁理士が商標弁理士より圧倒的に多いことも一因でしょう。これでは商標の拒絶理由通知が来たらどう対応すればよいのか?情報が少なくて悩む人も多いはず。

 

そこで Toreru Mediaでは Toreru の商標事務所としての知見を生かし、2023年「商標意見書」を年間テーマとして掘り下げます!

商標意見書は“説得の技術”なので、商標実務に携わっている方はもちろん、日常生活や知財以外の分野の仕事にも役立つ発見があるように、シリーズ記事を制作していきます。

年3~4本程度のシリーズ記事の公開を予定しており、例えばこんなアイデアが出ています。

<商標意見書 こんな記事ができるかも?>

  • 商標弁理士10人に聞いた、この商標意見書がすごい!
  • 勝てる意見書、負ける意見書…その分水嶺はどこにある?
  • 影の立役者!識別力を証明するための調査会社に証拠収集のコツを聞く
  • 素人でも商標意見書、どれだけ書ける?ー Toreru 弁理士に添削してもらった
  • 審査官マジギレ!?ガチバトル商標意見書を集めてみた
  • 日本最初の商標意見書を見てみよう
  • ですます?である?商標意見書の丁寧さは拒絶克服率に影響するか調べてみた
  • 日本一短い商標意見書 えっ?これで通るの!?
  • うわっ….私の意見書、言い過ぎ….? 包袋禁反言に注意した商標意見書を探ってみた
  • 拒絶理由対応は心理戦!?商標意見書で「反論」をしてはいけないワケ
  • ありふれた氏は、どこまでがありふれている?意見書で見る3条1項4号
  • 氏名や顔写真でも商標登録できる!?意見書や承諾書を眺めてみた
  • 逆転意見書、査定不服審判負け→裁判所でのうっちゃりの傾向を探る
  • 日本の商標意見書ロジックは海外でも使えるか?自動翻訳&現地代理人に読んでもらった

まだまだアイデアベースですが、ここから選定して Toreru Media らしい独自の切り口の「商標意見書」記事を制作・公開していきたいと思いますので、ご期待ください!

3、ゲスト投稿もお待ちしています

最後に「ゲスト投稿枠」のご紹介です。 Toreru Media は「知財の価値をみんなで広げていくメディア」でありたいと考えています。

いわば Toreru Media のウェブサイトが『寄席』になり、さまざまな方が「知財を身近にする」を共通テーマにした、独自性がある記事を寄せていく。

ご自身のブログや、ウェブサイトですでに情報発信されている方も多いと思いますが、「書く場所」やテーマが異なれば、読み手も変わるもの。新たな出会い・発見があるかもしれません。

題材は「商標」に限らず、「知財を身近にする」というメディアビジョンにあえばOKです。

我々からも「この方の記事を読んでみたい!」という方には積極的にお声がけさせていただきますので、その時はぜひ出演(ご寄稿)を検討いただければありがたいです。

<応募はこちらから>

さらにゲスト投稿枠を強化していきますので、ご応募お待ちしております!

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