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自分で商標登録するには?費用、手続きの流れを解説!

商標登録をしようとするとき、自分でやってみるか、専門家に依頼するか、悩みますよね。

この記事では、自分で商標登録する方法や費用をわかりやすくまとめました。
自分で商標登録するメリット・デメリットや、自分でやるか専門家に依頼するかの判断基準も説明しています。

どちらが良い・悪いという一方的な見方ではなくフラットな目線で書いていますので、ぜひ判断の参考にしてみてください。

この記事の図解

自分で商標登録するときの手続きの流れ

自分で商標登録する手続きの流れは、次の4ステップです。

  1. 調査(似たような商標がないかなど事前に調査する)
  2. 出願(特許庁に出願する)
  3. 審査(特許庁で審査を受ける)
  4. 登録(審査に合格すると、登録料を納付する)

この記事では、各ステップに簡単に触れていきましょう。

なお、各ステップの詳細は、こちらの記事で解説しています。

1.調査方法

商標検索サイトを使って、類似する商標がないか調べます。
もし類似する商標が先に特許庁に出願されていると、あなたが希望する商標が登録できないおそれがあるからです。

無料で使える商標検索サイトとしては、次のサイトが挙げられます。

  1. J-PlatPat
    J-PlatPatトップページ
  2. Toreru 商標検索
    Toreru商標検索トップページ

これらの商標検索サイトでの具体的な検索方法は、こちらの記事で解説しています。

また、そもそも商標調査って何をすればいいの? 費用や注意点は? という疑問については、こちらの記事が解決してくれます。

2.出願方法

商標登録をするためには、特許庁に出願という手続きをします。

願書(商標登録願)という専用の書面を作成し、紙に印刷し、特許庁に提出します。
提出方法は、郵送 or 特許庁へ持参 になります。

願書のフォーマットはこちらで確認できます。

自分で出願をする場合、出願時にかかる費用は印紙代電子化手数料のみです。

印紙代は、願書に特許印紙という特殊な印紙を貼る形で支払います。
収入印紙ではありませんのでご注意を。

電子化手数料は、紙で出願をする場合に徴収される手数料です。
1件につき1,200円に書面1枚につき700円を加えた額が徴収されます。

たとえば、願書が1枚のときの電子化手数料は、

1,200円+(1枚×700円)=1,900円

となります。

願書を特許庁に提出した後、2週間程度で「電子化料金納付のご案内」(振込用紙)が送付されますので、その振込用紙に記載された金額を所定の金融機関へ振り込みすることになります。

ところで、出願をするとき、文字商標で出すかロゴ商標で出すかどちらにしよう…? というお悩みがよくあります。
この点については、こちらの記事で解説していますので、気になる方はご覧ください。

3.審査項目

出願された商標は、順次、特許庁に審査されます。

審査では、似ている商標がないか、商標に特徴があるかなど、約20項目にもわたる登録条件についてクリアしているか判断されます。

こちらの記事では、この多岐にわたる登録条件のうち重要度の高いものについてわかりやすく解説していますので、参考にしてみてください。

4.登録方法

審査に合格すると、特許庁から「登録査定」が送られてきます。

その後、30日以内に登録料を納付します。

登録料を納付するには、「登録料納付書」という書面を特許庁に提出します。登録料納付書のフォーマットはこちらです。

登録料を納付すると、正式に商標登録され、後日「商標登録証」が発行されます。

商標登録証の例
商標登録証の例  ※2024年4月1日より電子データでの交付となりました

自分で商標登録した場合の費用

自分で商標登録した場合の費用はこちらです。

 出願印紙代登録印紙代(5年)電子化手数料
1区分12,000円17,200円1,200円+(700円 × 書面枚数)

※提出した手続書類1種類毎に発生
2区分20,600円34,400円1,200円+(700円 × 書面枚数)

※提出した手続書類1種類毎に発生
3区分29,200円51,600円1,200円+(700円 × 書面枚数)

※提出した手続書類1種類毎に発生

出願する区分数(権利を取る事業範囲)にもよりますが、大体3万円〜8万円くらいかかります。

紙で手続きをする場合には、電子化手数料もかかりますのでご注意を!

自分で商標登録するメリット・デメリット

弁理士などの専門家に頼む場合自分で商標登録する場合との、メリット・デメリットを比較しました。

 自分でする専門家に頼む
メリット・費用が安くなる・リスクが小さくなる・手間がかからない
デメリット・リスクが大きくなる・手間がかかる・費用が高くなる

基本は、「費用 vs リスク・手間」のトレードオフになります。

どの程度のトレードオフになるかは、依頼先がどこかや商標登録に関する自分の知識・経験にもよりますが、

専門家でも「他人に任せられるならその方が手間としてはラクだな」と思うくらいなので、商標登録に関する労力や時間を節約して他のことに集中したいと思う人は、専門家に頼む方がメリットが大きいでしょう。
また、商標登録できるかどうかの判断や、どのような内容で権利を取ればいいかの判断は、専門的で複雑です。なので、リスクを小さくしたい場合も、専門家に頼む方が無難です。

一方、とにかく費用を節約したいという場合は、一度自分でやってみるのもよいと思います。

自分で商標登録する場合のリスク

自分で商標登録する場合の具体的なリスクは、次のとおりです。

  1. 権利範囲がズレるリスク
  2. 登録できる可能性が下がるリスク
  3. 印紙代が無駄になるリスク
  4. 早期審査などの特別な手続きが困難になるリスク

最も恐ろしいのは、権利範囲がズレているリスク
“権利範囲がズレる” とは、取った権利内容が実際の事業をカバーできていない、という意味です。

権利範囲は、商標を出願するときに願書に書く「指定商品(指定役務)」の内容で決まります。
この指定商品の書き方は専門的で独特のクセ(一般的な感覚との乖離)があるため、一見、実際の事業をカバーできているように見えても実はカバーできていない・・・ということが起こりやすいです。

権利範囲がズレていると、実際の事業内容を守れていないことになるので、守れていない「実際の事業内容」について他人が似た商標を登録できてしまう場合があります。
そうすると、最悪、商標登録したにも関わらず、(その内容がズレているので)他社から権利侵害として訴えられる可能性もあります

特許庁の審査では「実際の事業内容をカバーできているか」はチェックしてくれませんので、審査合格=商標登録の内容がズレていない、という意味ではありません。

つまりこのリスクは、商標登録したときには気づけず、後々問題が起こったときに「しまった・・・」となるものなので、注意が必要です。

自分で商標登録する場合の手間

自分で商標登録する場合の具体的な手間は、次のとおりです。

  1. 調べる手間
  2. 書類を作る手間
  3. 特許印紙を買う手間
  4. 郵送する手間

今はインターネットで手続書類のフォーマットが手に入るため、書類自体は簡単に作れますが、調べたり(商標登録できそうか? 書類に何を書くか?)、特許印紙を買う手間(大きな郵便局や特許庁でないと売ってない!)は、意外とかかります。

初めて商標登録を経験する場合、願書を特許庁に提出するまでだけで10~20時間くらいはかかっても全然おかしくないと思います。しかも、審査に進捗があれば、またその後の手続の手間が都度かかります。

自分で商標登録するか専門家に依頼するかの判断基準

自分で商標登録するか専門家に依頼するかは、3つの観点から判断できます。

  1. リスクを許容できる事業か
  2. 自分の時給の方が外注するより安いか
  3. 商標登録が完了するのは遅くてもいいか

1.リスクを許容できる事業か

自分で商標登録するとリスクが高くなるので、その商標を使おうとしている事業の重要度=リスクを許容できる事業かどうかを考えた方がいいです。

たとえば、もしその商標が登録できなかったり、他人の商標権を侵害するおそれがあったりすると、

  • 代わりの商標の考案と商標変更
  • ドメイン取り直し
  • Webサイトや商品パッケージ、その他宣伝広告物の作り直し
  • 商品回収
  • 関係者への事情説明や謝罪
  • 権利侵害だった場合の係争対応
  • マーケティングやブランディングのやり直し(評判の再構築)
  • これらの対応に追われたことによる機会損失

などが発生します。

これらのフォローには、多大な費用や労力がかかります。
たとえば、毎年1億円の売上がある商品に使う商標だったら、専門家に商標登録を依頼する費用よりも大幅に損するリスクを負うことになります。

売上規模や重要度が小さい事業であればともかく、目安として年間売上が1000万円以上の場合は、専門家に依頼する方が良いと思います。
また、年間売上が1000万円未満であっても、自分で商標登録のやり方を調べたり実務作業をする時間を、自分が得意な領域に投下した方が良いケースも少なくありません。

2.自分の時給の方が外注するより安いか?

そもそも「自分で商標登録する」のが費用を安くする目的なのであれば、自分の時給をよく考える必要があります。
専門家に依頼する費用よりも、自分でやったときに失う時間の経済価値(自分の時給 × 失う時間)方が高くては、本末転倒です。

そして、専門家への依頼にかかる費用を自分のコストと比較します。

Toreru 商標登録 を利用する場合は、1区分の調査~出願~登録で約2万円からの手数料で専門家を活用できます。

そのため、自分でやる場合に10時間はかかるとすると、もし自分の時給が2,000円以下であれば、自分でやることにコストメリットが出ることになります

ただし、出願する区分数が増えると専門家の手数料が増えることが多いので、区分数が増えるほど自分でやるコストメリットは大きくなります。

もっとも、区分数が増えると権利範囲が広くなり、出願にあたり専門的な検討事項が増えることになるので、自分でやる場合にはこの点にも留意しておきましょう。

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3.商標登録が完了するのは遅くてもいいか

商標を出願してから特許庁での審査を経て商標登録が完了するまでの時間は、その時の状況次第ですが、通常は8ヶ月くらいかかります(本記事執筆時点)。

一方、出願後に特別な手続き(早期審査の申請)をした場合には、審査期間が大幅に短縮されます。

商標登録完了までにかかる時間が事業計画に与える影響は大きいですが、この早期審査制度をうまく活用しようとすると、条件が複雑で、専門知識がないとなかなか難しいです。

そのため、商標登録完了までの期間をなるべく短縮したいときは、専門家に依頼した方がメリットが大きいと言えます。

逆に、商標登録が完了するのが遅くてもいい場合には、自分で商標登録してみてもいいかもしれません。

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自分で商標登録した方が良い人と、専門家に依頼した方が良い人

整理すると、以下のようになります。

自分で商標登録した方が良い人
  • 事業の売上が低い人
  • 時給が安い人
  • 商標登録を急がない人
専門家に依頼した方が良い人
  • 事業の売上が低くない人
  • 時給が高い人
  • 商標登録を急ぐ人

専門家への依頼も検討してみたい場合には

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まとめ

自分で商標登録するには、

  1. 調査
  2. 出願
  3. 審査
  4. 登録

の4ステップを行います。

費用は1区分で約3万円からになります。

メリット・デメリットの違いをよく考慮して、専門家に依頼するか自分でやってみるかを選択しましょう!

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