商標登録の審査の期間は?【2020年最新版】

 商標登録をするためには、特許庁に出願して「審査」を受けなければなりません。では、この「審査」にはどのくらい時間がかかるのでしょうか? 商標権を獲得できるタイミングは「審査」に合格して正式に商標登録された後なので、商標登録の審査期間の長さは、ビジネスを進める上でとても気になりますよね。

 そこでこの記事では、商標登録の審査の期間はどのくらいなのか、わかりやすく解説します!

ポイント: 商標登録の審査の期間

商標の審査の期間には次の3種類があります。

  1. 通常の審査:14ヶ月
  2. ファストトラックの審査:6ヶ月
  3. 早期審査:2ヶ月

1. 通常の商標の審査期間:14ヶ月

 まず、原則的な商標の審査期間です。

 通常の商標の審査期間は、特許庁に商標登録の出願をしてから約14ヶ月です。

 結構長いですよね。以前は審査期間が4ヶ月くらいの頃もあったのですが、近年では審査期間が年々長くなってきています。これは、商標登録の出願件数が増加しており、特許庁の審査が追いついていないためです。

 しかしながら、特許庁は、このように審査期間が長くなっていることへの対応の一つとして、一定の条件を満たす場合に例外的に審査期間を短くする仕組みを設けています。それが、次に紹介する「ファストトラック」と「早期審査」です。

2. ファストトラックの審査期間:6ヶ月

 ファストトラックとは、一定の条件を満たせば審査期間が短くなる制度の一つです。

 このファストトラック制度には、次のような特徴があります。

  1. ファストトラックの審査期間は出願してから約6ヶ月
  2. 一定の条件を満たせば自動的に適用される
  3. その条件とは、商品・役務を特許庁の指定通りに記載すること
  4. ファストトラックのための追加費用はなし(無料)

①ファストトラックの審査期間は出願してから約6ヶ月

 あなたの出願がファストトラック適用になれば、通常であれば審査期間が約14ヶ月のところ、約6ヶ月まで短縮されます。通常に比べて1/2くらいになるのですから、なかなか大きな効果です。

②一定の条件を満たせば自動的に適用される

 ファストトラックは、あなたの出願が一定の条件を満たせば自動的に適用されるのが大きな特徴です。通常通り商標登録の出願をすればよく、他に特別な手続きをする必要はありません。

③その条件とは、商品・役務を特許庁の指定通りに記載すること

 ファストトラックが自動適用されるために満たすことが必要な条件とは、商標登録の出願書類に書く「指定商品(指定役務)」を、あらかじめ特許庁が定めた記載方法と一致するもののみで記載することです。

 上記の例では、「被服」は特許庁が定めた記載方法と一致していますが、「靴」は一致していません。このように、一致していない商品・役務が一つでも含まれていると、ファストトラックは適用されません

 したがって、審査期間を短くすることだけを考えれば、この「特許庁が定めた記載方法」のみを使って商品・役務を記載するのが良いことになります。ただし、「特許庁が定めた記載方法」には限りがあり、やや特殊な商品や最近登場した新しいサービスなどは該当するものが無いことがあります。このような場合は、守りたい商品・役務の内容を正しく記載するために「特許庁が定めた記載方法ではない記載方法」をする必要があるので、ファストトラック適用は諦めなければならないケースもあります。

④ファストトラックのための追加費用はなし(無料)

 ファストトラックの適用を受けるために追加費用はかかりません。通常の商標登録費用のままで審査期間が短くなるのはお得な制度ですね!

3. 早期審査の審査期間:2ヶ月

 早期審査も、一定の条件を満たせば審査期間が短くなる制度の一つです。ファストトラックに比べ、さらに審査期間が短くなりますが、そのぶん手続きや条件が複雑になります。

 この早期審査制度には、次のような特徴があります。

  1. 早期審査の審査期間は出願してから約2ヶ月
  2. 一定の条件を満たすことが必要
  3. 早期審査のための追加費用はなし(ただし専門家のサポートを受けるときは有料)
  4. 「早期審査に関する事情説明書」の提出が別途必要

①早期審査の審査期間は出願してから約2ヶ月

 あなたの出願が早期審査適用になれば、通常であれば審査期間が約14ヶ月のところ、約2ヶ月まで短縮されます。通常に比べて1/7くらいになるのですから、権利化を急ぎたいときは非常に有効です。

②一定の条件を満たすことが必要

 早期審査制度を活用するためには、一定の条件を満たす必要があります。

②-①商品・役務が特許庁の指定通りに記載することが必要

 一つは、上記ファストトラックと同様、商標登録の出願書類に書く「指定商品(指定役務)」を、あらかじめ特許庁が定めた記載方法と一致するもののみで記載することです。

②-②商標を使用していることが必要

 もう一つは、a)出願した商標と同一の商標を、b)出願書類に書いた商品・役務の一つ以上について、c)出願人(商標登録の名義人)がすでに使用していること、が必要です。

 たとえば、以下の例であれば、この条件を満たします。

③早期審査のための追加費用はなし(ただし専門家のサポートを受けるときは有料)

 早期審査の適用を受けるために特許庁に支払う追加費用はかかりません。ただし、早期審査の適用を受けるために弁理士などの専門家のサポートを受けるときは、多くの場合、別途の手数料がかかります。早期審査は、ファストトラックに比べて、より効果が大きく、一方で条件や手続きが複雑なので、専門家のサポートを受けて進めると楽で確実です。

④「早期審査に関する事情説明書」の提出が別途必要

 ファストトラックとは異なり、早期審査を受けるためには、商標登録の出願後に別途「早期審査に関する事情説明書」という専門書類を整えて特許庁に提出する必要があります。

 早期審査について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

特別な理由で商標の審査期間が延びる場合

 商標登録の審査の期間はここまで解説してきた通りですが、上記の審査期間は、いずれも審査で引っかからずに登録になった場合の期間です。

 次のような場合には、上記の審査期間よりも追加で延びることがあります。

  • 拒絶理由が通知された場合:2ヶ月〜1年追加
  • 審判をする場合:6ヶ月〜1年追加
  • 訴訟をする場合:1年〜追加

拒絶理由が通知された場合

 特許庁の審査において拒絶理由が通知された場合は、その対応に1ヶ月ほどかかり、さらに再度の審査結果を待つのに1ヶ月〜1年ほどかかります。

 拒絶理由への対応方法が、たとえば重複している権利を削除する対応など簡単なものであれば、特許庁もすぐに再審査を進めてくれるので、あまり審査期間が延長されないことが多いです。

 一方、他人の商標と似ているかどうかや、商標に特徴があるかどうかの判断に対する反論など、特許庁においても複雑な判断が必要なものは、審査が長期化する傾向にあります。

審判をする場合

 特許庁の審査で不合格になってしまった後でも、「審判」という手続きをすることでさらに反論する機会が与えられます。この審判を行う場合も、さらに審査期間が延びます。

 審判では、3人の審判官が案件をじっくり検討するため、6ヶ月〜1年ほど審査期間が延びることが多いです。

訴訟をする場合

 審判でも不合格になってしまった場合は、さらに訴訟をすれば裁判所で反論する機会が与えられます。この訴訟を行う場合も、さらに審査期間が延びます。

 裁判所ではより詳細に案件が検討されるため、さらに1年以上審査期間が延びることもあります。

まとめ

 最後にあらためて、商標登録の審査の期間についておさらいしましょう。

ポイント: 商標登録の審査の期間

商標の審査の期間には次の3種類があります。

  1. 通常の審査:14ヶ月
  2. ファストトラックの審査:6ヶ月
  3. 早期審査:2ヶ月

 商標登録の審査の期間をしっかりと理解しておけば、ビジネスの計画が立てやすくなりますし、制度をうまく活用することで通常よりスピーディーに商標登録をすることができますので、この記事がそのお役に立てば何よりです!

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