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類似群コードとは?調べ方や区分との違いを解説します!

商標登録をするとき、「類似群コード」という耳慣れない用語を目にしませんか? 「区分」とはどう違うの?と思われている方も多くいます。

実はこの「類似群コード」は、商標登録においてとても重要な(かつ、間違えると権利が無駄になる)ものです。

この記事では、「類似群コード」のポイントをわかりやすくまとめました。

1.類似群コードとは?

類似群コードとは、商品・サービスがお互いに似ているかどうかを区別するために付けられたコードのことです。同じコードが付けられた商品・サービスは「似ている」とされます。

なぜ類似群コードが必要なの?

商標権は、「商標」×「商品・サービス」のセットで1つの権利となります。

権利範囲は、2つの要素で決まります。1つは、商標が似ている範囲までです。もう1つは、「商品・サービス」が似ている範囲までです。

ですが、商品・サービスがどこまで似ているのかは、非常にわかりづらいです。

たとえば、「ワイシャツ」と「ズボン」は似ている商品でしょうか? では、「ワイシャツ」と「靴下」はどうでしょうか?

判断が難しいですよね?

そこで、お互いに似ているとする商品・サービスには同じ類似群コードを付けるという仕組みになっています。

類似群コードがあれば、2つの商品・サービスが似ているかどうかが事前にはっきりするからです。

たとえば、類似群コードはこのように付いています。

  • ワイシャツ → 17A01
  • ズボン → 17A01
  • 靴下 → 17A04

これを見ると、ワイシャツとズボンは類似群コードが同じ(17A01)なので「似ている」。一方、靴下は類似群コードが違う(17A04)ので「似ていない」ということがわかります。

2.類似群コードは何に影響がある?

類似群コードは、商標権の権利範囲に影響します

なぜなら、「商標」×「商品・サービス」のセットで1つの権利となるからです。「商品・サービス」の似ている範囲(権利が及ぶ範囲)は類似群コードで決まってきます。

たとえまったく同じネーミングでも、指定した商品・サービスの類似群コードが異なれば、「バッティングしない権利」としてどちらも別人が商標登録できることもあります。

このように、商標登録において、商標そのものと並んでとても重要な要素となるのが「類似群コード」なのです。

同じ商標でも類似群コードが何かによって商標登録できるかどうかが大きく変わるので、プロの商標調査では類似群コードは必須です。そのため、弁理士が作った商標調査報告書には、ほとんどの場合、調査に使った類似群コードが記載されています。

3.類似群コードはどうやって決まる?

類似群コードは、特許庁が決めています

どの商品・サービスに何の類似群コードが付いているかは、特許庁が発行する 類似商品・役務審査基準 で公表されています。また、 J-PlatPat の 商品・役務名検索 で検索することもできます。

どの商品・サービスを「似ている」と扱うべきかは時代によって変わりうるため、特許庁は毎年1回、類似群コードの見直し(追加・変更・削除)も行っています。

類似群コードはあくまでも「推定」

類似群コードは、商品・サービス同士が似ているかどうかを決めるものです。でも実は、この類似群コードは、あくまでも似ていることを「推定」しているに過ぎません

特許庁もこのように言っています。

特許庁では、類似関係にあると推定する商品又は役務をグルーピングし、各グループに検索のための特定のコードを付与した「類似商品・役務審査基準」(以下「類似基準」といいます。)を作成し、これを公表しています。

 

引用元: https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/ruiji_kijun11-2022.html

この「推定」とは、反証があれば覆る可能性があるということを意味する法律用語です。そのため、たとえ同じ類似群コードが付けられた商品・サービスであっても、裁判などで商品・サービスが似ているかどうかの判断が覆る場合があります

たとえば、第10類「医療用手袋」と第25類「手袋」(被服としての手袋)は、類似群コードが同じだった※1 にも関わらず、取引の実情を考慮して「似ていない」と判断された審判例があります。(不服2003-24278)

※1 なお、この審判当時は類似群コードが同じでしたが、その後見直され、本記事執筆時点では異なる類似群コードが付与されています。

もっとも、類似群コードは、特許庁の審査において商品・サービスが似ているかどうかを判断をする際の統一基準であるため、「推定」が覆るケースはとても稀です

4.類似群コードの調べ方

商品・サービスに付与されている類似群コードの調べ方は、2種類あります。

  1. 検索サイト(J-PlatPat)で調べる
  2. PDFの資料(商品役務審査基準)で調べる

①検索サイト(J-PlatPat)で調べる

特許庁の検索サイトで類似群コードを調べることができます。

手順

(1) 調べたい商品・サービスを入力して検索します

J-PlatPat商品・役務名検索方法の説明画像1

(2) 検索結果では類似群コードを確認することができます

J-PlatPat商品・役務名検索方法の説明画像2

②PDFの資料(商品役務審査基準)で調べる

特許庁がHPで公開しているPDFの資料(商品役務審査基準)で、商品・サービスと類似群コードが一覧表になっています。

たとえば、「鞄」の区分は18類なので、一覧表の中の「第18類」のPDF資料を調べます。

18類のリストの中に「かばん類」(21C01)がありました!

J-PlatPat商品・役務名を調べる方法の説明画像

あらかじめ区分(第○類)を知らないと調べられないので、中級者向けの調べ方と言えるでしょう。

一方で、「同じ区分(18類)の中で他にどんな商品・サービスを指定できるのかな?」という調べ方がしやすい点はメリットです。

5.類似群コードと区分との違いは?

類似群コードと似ているものに「区分」というものがあります。

違いを表にまとめてみました。

 類似群コード区分
代表例17A0125類
種類1,000以上45
商標権の権利範囲関係する関係しない※2
印紙代関係しない関係する
誰が決めるか?特許庁特許庁

※2 厳密には区分が権利範囲の解釈に影響を与える場面もありますが、類似群コードの方が明らかに権利範囲に大きく影響するため、ここではわかりやすく「関係しない」としています。

一番重要なポイントは、

  • 権利に影響するのが「類似群コード」
  • 印紙代(料金)に影響するのが「区分」

というところです。

6.類似群コードは上限22個まで。23個以上は拒絶理由の対象に

商標登録の出願をするとき、類似群コードについて注意点があります。

その出願で指定した商品・サービス(指定商品・役務)の類似群コードの種類数が、1区分の中で23個以上になると、特許庁の審査において「拒絶理由通知」(このままでは商標登録できないよ、という審査結果通知)が来てしまいます。

1区分内の類似群コードの種類数が23個以上になる例
1区分内の類似群コードの種類数が23個以上になる例(引用元: https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/binran/document/index/41_100_03.pdf)

この場合、通知の内容は「本当にそんなに幅広い事業範囲で商標を使う予定があるのですか? 予定があるなら、使用意思の宣誓と事業計画書を出してください」というものになります。

これをクリアして無事に商標登録をするためには、特別な手続が必要になります。

このように、多すぎる類似群コードは商標登録できない原因にもなるため、強い理由がなければ類似群コードの種類が22個以下に収まるように商品・サービスを指定することをおすすめします。

まとめ

最後にまとめです。

  • 類似群コードとは、商品・サービスがお互いに似ているかどうかを区別するために付けられたコードのこと
  • 類似群コードは、商標権の権利範囲に影響する(一方、区分は権利範囲に影響しない)
  • 類似群コードは、あくまでも似ていることを「推定」するもの。そのため反証可能だが、覆るケースは少ない
  • 類似群コードを調べるときは、「J-PlatPat」か「商品役務審査基準(PDF)」を見よう
  • 類似群コードの数は22個以下に収めよう

類似群コードは、商標登録においてとても重要なものです。

ポイントをしっかり押さえて、スマートな商標登録をしましょう!

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