Toreru Media は【毎週火曜日】+α で更新!

第1回 「知財とアレ」エッセイ大賞 結果発表! ~Toreru Media主催:たくさんの応募、ありがとうございました

2022年夏、Toreru Mediaでは第1回「知財とアレ」エッセイ大賞を開催しました。

「もっと自由に、知財の可能性を見てみたい!」が企画の発端で、知財と組み合わせるテーマは応募者の自由というフリーダム企画。

今回、初めての公募企画で、何作ぐらい応募が来るのか?数作しか来なかったら全員入賞にするの?と運営としてもドキドキでしたが・・・最終的に45作品もの応募を頂きました!本当にありがとうございます。

応募者は、知財業界の方が半分・他業界の方が半分といったバランスで、年齢も大学生から古希を迎えた方まで老若男女さまざま。皆さんが自由に選んだ“アレ”(かけあわせテーマ)も、とてもバリエーション豊かでした。

応募作品が掛け合わせた“アレ”の例

いずれも力作ぞろい、楽しんで拝読しつつも審査は非常に難航しました・・。ゲスト審査員3名で編集部と協議した結果、最終的に大賞2作品、入賞(審査員特別賞)4作品が決定しています。

 

それでは第1回「知財とアレ エッセイ大賞」大賞&入賞作品を、発表いたします!

1、第1回大賞は・・・2作品!

募集の時点では大賞1作品の予定だったのですが、2作とも甲乙つけがたく、審査員の南原さんから「文学賞に同時受賞って結構ありますよ」とのコメントをいただき、2作同時受賞という結果になりました。大賞賞金もお二人で山分けとなります。

以下、作品タイトルをクリックすると作品に移動することができます。

ー----------

☆第1回大賞作品『知財×サン=テグジュペリ』(著:うえお アイ)

『星の王子さま』で「大事なことじゃないや」と一蹴されたはずの“特許をとる”という考え。しかしサン=テグジュペリは、生前フランスで沢山の特許出願をしていて…という矛盾ともいえる謎、フランス特許庁のデータベースを紐解く探究心、そして考察が審査メンバーに高く評価されました。

☆第1回大賞作品『コスプレと「グレー」の付き合い方』(著:たみ)

実体験として、筆者自身のコスプレイヤーとしてのキャラクターの知的財産に対する複雑な思いや、暗黙のルール、そしてキャラ愛と自意識について率直に書かれている点が、審査メンバーに高く評価されました。

ー----------

うえおアイさんは現役弁理士の専門家、たみさんは知財業界外の方と、それぞれバックグラウンドは異なるものの、どちらもテーマの切り口や考察が魅力的な作品でした。

うえおアイさん、たみさん、おめでとうございます!

 

2、入賞作品は、審査員それぞれから発表!

続きまして入賞作品。今回の審査では「ゲスト審査員3名&編集部1名」が、それぞれ自分が推しの作品を選ぶという方式となりました。

そこで、入選作について作品推しの審査員それぞれからコメントを頂いています。

ー----------

☆入賞作品①『知財とキミと、ランデブー』(著:かねぽん)

推し審査員:知財図鑑編集長 荒井 亮さん

今回、私は『知財図鑑』という知財の流動性を高めるためのメディア運営のスタンスから、「堅苦しい知財のイメージをいかに覆せるか」をひとつの基準として読ませていただきました。本作は、男女(とは規定されていませんが)のどこにでもありそうな恋愛模様を軸に、知財を絡めた艷やかで気楽な読み物に昇華させた点に惹かれました。

知財業界の「あるある」ネタを盛り込みつつ、知識を披露する主人公の姿も嫌味なく落とし込まれていましたし、商標を連呼するクライマックスのくだりは、ヒップホップのラップバトル、もしくは平安時代の歌合わせにも通じる様式美を感じて、「知財版マジカルバナナ」とでも呼べそうなジャンルの気配すら感じました。

私たち「知財ハンター」も、日々様々な知財のユースケースを妄想しているため、普段の日常生活にどんな知財が潜んでいるかを炙り出し、デートプラン達成のために知財を活用し奮闘する姿に大変共感した次第です。

今回、「知財とアレ エッセイ大賞」というユニークな試みにお声掛け頂いたToreru Mediaのみなさま、ご応募された参加者のみなさまにこの場をお借りして感謝申し上げます。

☆入賞作品②『知財と自分史』(著:晴太 優)

推し審査員:(株)イーパテント代表取締役社長 野崎 篤志さん

「知財とアレ」というテーマでどのようなアレを組み合わせるのか?多数の作品を読ませていただきましたが、私が選ばせていただいたのはストレートな”自分史”です。

知的財産を生み出すのはヒトであり、そのヒトがどのような想いで発明したのかについて、本作品では自分自身の代表的な特許出願3点を紹介しています。

特に「記録的な権利化阻止活動を受けた出願(権利化しなかったことを後悔)」は、20年近く特許調査・分析している私から見ても驚くほどの包帯閲覧請求数でした。たしかにこの出願は事業化しなくても、権利化だけはした方が良いだろう。。。と思いました。

古希を迎えた作者が高卒卒というコンプレックスを抱えながら、それを克服し、還暦を過ぎても特許出願をしている姿は、世界に先駆けて超高齢化社会を迎えている日本における「人生100年時代」を考える意味でもぜひ皆様に読んでいただきたいと思い、推薦いたしました。

☆入賞作品③『特許公報から考える至高の目覚め』(著:西片弥生)

推し審査員:作家・弁理士 南原 詠さん

本賞が「森羅万象を知的財産の切り口で切って、断面を楽しむ」企画であると考えるなら、『目覚め』はいい線をいっていたと思います。

朝だ。眠い。そうだ特許公報で調べよう。

このオープニングは控え目に言っても狂っています。いろいろと毒されています。勝手な想像ですが、この方は病院の赤十字を見かけたらきっと「ジュネーブ十字、4条1項4号」と呟くような方ではないかなと思っています(完全に偏見です。ごめんなさい)。

でもそれは知財に関わる人間としては正しい姿勢だと思っています。私たちは、ある種の視点やスタンスを“ファナティック”と呼ばれるレベルで貫かなければならないのです。何かあったらとりあえず検索式を立てて、文献をリストアップして読みながら考えるべきなのです。

襟を正す気持ちになりました。推させていただきたいと思います。

 

☆入賞作品④『その名称は使えません!~校閲と登録商標~』(著:白築シノ)

推し審査員:Toreru Media編集部 ちざたまご(弁理士)

文章の中で「登録商標」を説明的に使うことは、商標としての使用にならず、商標権侵害が成立しないというのは知財業界の常識です。

しかし、新聞校閲の現場では「商標の普通名称化や、商標権者の権利を害する恐れを考え、原則として登録商標は使用しないルールとのこと。本作は、プロ校閲家の立場から「登録商標に関わる校閲の実務と、校閲家として実際にあった逡巡」を描いています。

法律的に商標権侵害といえない場面でも、どこまで「登録商標」に配慮しなければならないのか?表現の選択の幅との関係は?しかし、新聞社の立ち位置も分かるな・・と、改めて「知財と社会のバランス」について考えさせられました。

知財業界以外の方からの投稿が「知財に関する自分の固定観念を震わせた」という点で、とても心に残った一作でした。

ー-----------

以上の入選4作品は22年10月中にToreru Mediaにて、順次公開していきます。

<公開予定日>

10/11『知財とキミと、ランデブー』

10/14『知財と自分史』

10/18『特許公報から考える至高の目覚め』

10/21『その名称は使えません!~校閲と登録商標~』

こちらもチェックしてみてください!

 

3、おわりに ~Toreru Mediaはこれからも「知財の可能性」を追究します

本企画について、多くの方にご応募いただいたことにあらためて感謝いたします。

なお、第1回「知財とアレ」エッセイ大賞では8/22までに応募された方を対象に、「早期応募特典」としてゲスト審査員3名の方の書籍をプレゼントします。こちらは応募時に希望された方を対象に、配送希望先を確認の上、順次お送りさせて頂きます。

我々Toreru Mediaは「知財を身近にするメディア」として、今後もさまざまな企画にチャレンジしていきます!

ー----------

☆Toreru Mediaではゲストライターやゲスト投稿を随時募集しています。

Toreru Mediaでは「SEO的に編集部が指定したテーマを、決められた形で書いていただく」方式ではなく、原則として「ご自身が関心があるテーマを、自由に掘り下げて書いていただく」方式を採っております。

1記事単発から参加できますので、記事を見ていただいて「このメディアに書いてみたいな」と感じた方は、下記フォームからいつでもご連絡ください。

Toreru 公式Twitterアカウントをフォローすると、新着記事情報などが受け取れます!

押さえておきたい商標登録の基本はコチラ!