商標登録の流れはこれだけ!4ステップをおさえよう!

 商標登録をしようと思ったとき、「このあとの流れはどう進んでいくんだろう…?」と少し心配になった方も多いはず。商標登録の流れをちょっと自分でも調べてみたけど、複雑でよくわからなかった…という方もいるかもしれません。そこでこの記事では、商標登録の流れをできるだけわかりやすく解説したいと思います。

 商標登録の流れは、「調査 → 出願 → 審査 → 登録」の4ステップに分けることができます。商標登録完了までの期間は、おおむね14ヶ月が一つの目安です。

 それではさっそく、4ステップがどのような感じで進んでいくのかを見ていきましょう。

商標登録の流れ

 まずは流れの全体像をつかみましょう。商標登録の流れは、次の4ステップです。

  1. 調査(似たような商標がないかなど事前に調査する)
  2. 出願(特許庁に出願する)
  3. 審査(特許庁で審査を受ける)
  4. 登録(審査に合格すると、登録料を納付する)

ステップ1 調査

商標の調査は、最も重要なステップ

 いきなりですが、ステップ1の「調査」が最も重要なステップです。なぜなら、商標登録がうまくいくかどうかの9割以上は調査にかかっていると言っても過言ではないからです。

なぜ、商標の調査をするのか?

 そもそもなぜ最初に商標の「調査」をする必要があるのでしょうか?

 理由は主に次の2つです。

  1. 審査不合格にならないため
  2. 他社から訴えられないため

1. 審査不合格にならないため

 調査が必要な理由の1つ目は、商標登録の審査で不合格にならないようにするためです。詳しくは後で出てきますが、「調査」では、その商標が特許庁の審査の基準をクリアできそうかを調査・判断するため、このステップを通ることで、審査不合格になってしまう商標を出願することを避けたり、リスクの程度をあらかじめ把握してから登録にチャレンジすることができるようになります。

 もし調査に失敗していた場合は、最悪、この後の商標登録のステップがすべて無駄になりかねません。またその場合、別の商標を考えて、再びイチから商標登録の手続きをしないといけなくなってしまいます。特許庁の審査期間については後でまた触れますが、最近は審査の結果が出るまで14ヶ月くらいかかっているので、1年くらい後にまたネーミングやロゴを考えないといけないということが起こるかもしれません。

2. 他社から訴えられないため

 調査が必要な理由の2つ目は、他社から訴えられないようにするためです。「調査」では、気をつけるべき他社の登録商標がないか確認することができます。

 逆にいうと、調査を失敗していた場合は、最悪、他社から商標権侵害だとして訴えられる可能性があります。なかには、権利侵害している者がいないかを日頃から厳しくチェックしている企業もありますので、バレないだろう…と安易に考えるのはやめた方がいいです。

何を調査するのか

 では、「調査」ではいったい何を調査するのでしょうか?

似たような商標が登録されていないか

 1つは、「似たような商標が登録されていないか」です。もし似た商標が先に登録されていた場合は、そのまま特許庁に商標登録の手続きをしたとしても審査不合格になってしまいますし、その商標を使うと商標権侵害をしてしまうおそれがあるからです。

 特許庁に登録されている商標は、商標データベースで検索することができます。調査では、このデータベースを使って、あなたが登録したいと思っている商標と似たような商標が先に登録されていないかを調べた上で、実際にリスクがあるかどうかを判断します。

商標に特徴があるかどうか

 もう1つは、「商標に特徴があるか」です。商標登録の審査に合格するためには、似たような商標がないだけでは実はダメで、その商標がありふれたものでないこと=その商標に特徴があることが必要だからです。

 「調査」では、Googleなどのインターネット検索を駆使して、商標登録をしたいと思っている分野でありふれたものになってしまっていないかどうかを調査・判断します。

取るべき権利範囲はどこか

 さらに「調査」のステップでは、そもそも今回の商標登録で「取るべき権利範囲はどこか」を判断する必要があります。

 具体的には、

  1. 商標はローマ字かカタカナが良いか?など、登録すべき商標の形について
  2. 権利範囲として指定した方がいい商品・サービスの範囲(区分と内容)

などを決めなければなりません。

 たとえ商標登録そのものに成功したとしても、そもそもの権利範囲が不適切だったら元も子もありませんので、「取るべき権利範囲はどこか」をしっかりと検討・判断することは極めて重要です。

 特に、2の「商品・サービスの範囲」については、これを商標登録の手続き書面に書くときに独特のルールがあるため、専門的な知識や経験が必要となり、難易度が高い部分です。

専門家に商標調査を頼む場合

 この「調査」ステップを専門家に頼む場合のポイントを紹介します。

依頼時に何を伝えればいいか

 商標調査を専門家に依頼するときは、①登録したい「商標」と、②その商標を使う「商品・サービス」(どのようなビジネスにその商標を使うか)、を伝えれば基本はOKです。よい専門家は、この情報をベースに自らの知見を織り交ぜつつ適切な調査と提案をしてくれます。

商標調査の期間は約1週間

 専門家による「調査」にかかる期間は約1週間が一般的です。スピードを売りにしているところはもっと早い場合もあります。また、追加費用を払うと特別に早く調査をする特急調査プランを用意しているところもあります。もっとも、早さだけではなく質とのバランスが大切です。

費用は無料〜5万円ほど

 「調査」を専門家に頼む場合にかかる費用は、調査範囲(その商標を使う商品・サービスの範囲)によって変わりますが、無料~5万円のレンジからの料金設定のところが多いです。事前に費用をよく確認することと、質とのバランスを見ることが大切です。

調査の報告書を見て出願するかどうか判断することができる

 「調査」を専門家に頼めば、調査結果が届くまで待っていればOKです。その間の時間を他のことに使えます。よい調査は、優れた調査報告書が届くので、その報告書を見て商標登録の出願をするか判断することができます。

自分で商標調査をする場合

 一方、専門家に頼まずに自分で「調査」をする場合のポイントです。

商標の検索サイトで調べるのがオススメ

 誰でも無料で使える商標検索サイト(下記参照)があるので、それを使って調べるといいでしょう。

自分でやるリスクを知っておこう

 ただ、検索だけでなく、検索結果からリスク判断をしなければ意味がありません。病気の情報をインターネット検索しても、結局は自分の症状を診断しなければいけないのと似ていますね。なので、専門知識と経験がない場合は、たとえ自分では大丈夫だと思っても、「審査不合格」や「他社から訴えられる」リスクがあるかもしれないことを考慮しておくことも必要です。自分で調査をする場合の最大のメリットは調査費用を削減できることですが、その分、自分の時間を消費してしまうことと、後に抱えるリスクが大きいことを考えると、特に「調査」は専門家に依頼することがオススメです。

商標の検索サイト

J-PlatPat

Toreru 商標検索

調査についてより詳しく

 「調査」についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

ステップ2 出願

 調査が終われば、いよいよ特許庁に商標登録の出願手続きをします。

どのような書面を提出するのか

 商標登録の出願は、特許庁に所定の様式で書類を提出します。またその際に印紙代を支払うことが必要です。

所定の様式

 所定の様式はこちらから確認できます

印紙代

 出願の印紙代は下記の通りです。

1区分2区分3区分4区分以降…
出願時の印紙代12,000円20,600円29,200円3,400 + 8,600 × (区分数)円

 なお、商標登録全体にかかる費用については、こちらの記事にわかりやすくまとめてありますので、ご参照ください。

ステップ3 審査

 特許庁への出願が完了したら、あとは特許庁から審査結果が届くのを待ちます。

出願した内容を見て、商標の審査が特許庁で行われる

 商標登録の出願を受けると、特許庁の専門の審査官が、その出願内容を見て商標登録を認めてもよいか審査をします。この審査に合格すれば、「登録査定」という審査合格通知が届き、所定の登録料を支払うことで正式に商標登録されます。

 特許庁は、毎日全国から大量に提出される出願内容を順番に審査していくので、審査結果が届くまでには長い時間がかかります。審査結果が届くまでの期間はその時々で変わりますが、現在は約14ヶ月くらいかかっています。

何を審査されるのか

 この「審査」では、いったい何を審査されるのでしょうか?

 大きく、次の2つの側面から審査が行われます。

  1. 形式面の審査(方式審査)
  2. 権利の中身の審査(実体審査)

形式面の審査(方式審査)

 まず、提出された手続き書類(出願書類)について、商標の内容や出願人の名前・住所などの必要事項が漏れなく記載されているか、書式ルールに則って記載されているか、正しい印紙代が支払われているかなど、形式面の審査が行われます。もし、審査で形式面の不備が見つかった場合には、特許庁からその不備の通知を求める通知が届きます。

権利の中身の審査(実体審査)

 形式面に問題がなければ、次にいよいよ、出願された内容について商標登録を認めてもよいか、すなわち権利の中身の審査が行われます。

 この審査では、商標法に定められている20以上の審査項目をクリアしているかチェックされますが、代表的な審査項目は次の2つです。この2つは、ステップ1の「調査」のところでも触れましたね。

  • 似たような商標が登録されていないか
  • 商標に特徴があるのか(ありふれたものでないか)

審査に合格した場合

 審査に合格した場合には、特許庁から「登録査定」という書類が送られてきます。これが審査合格通知になります。この通知が来たら、あとは次の最後のステップ4「登録」に進むことができます。

このままでは審査に合格できない場合

 一方、特許庁の審査官が「このままでは合格させられないな」と判断した場合には、特許庁から「拒絶理由通知」という書類が送られてきます。

 実は、この「拒絶理由通知」は、審査不合格が確定したという通知ではありません。拒絶理由通知が来ても一発で審査不合格にはならず、反論などの対応の機会があります。

 拒絶理由通知への対応方法は、主に次の2つです。

  1. 「意見書」で反論する
  2. 「補正書」で求める権利内容を変更する

1. 「意見書」で反論する

 「拒絶理由通知」には、どうして審査不合格の判断が下されたのかの「理由」が書いてあります。もしこの「理由」が妥当ではない考える場合、「意見書」という書面で反論をすることができます。

 たとえば、「他人の登録商標と似ているから不合格」と言われた場合には、「いやいや、その商標とはコレコレこういう理由でまぎらわしくないから、問題は起こらないですよ」と反論します。あるいは、「この商標はありふれた言葉で特徴がないから不合格」と言われた場合には、「いやいや、コレコレこういう理由で十分特徴がある商標だから、私が独占しても混乱は起きないですよ」と反論します。

2. 「補正書」で求める権利内容を変更する

 反論ではなく、出願内容(=求める権利内容)を変更することで、「変更した内容なら問題ないでしょ?」という形で再審査を受けることもできます。この場合は「補正書」という書面を提出して、出願内容を一部変更します。

どのようにこれらの対応方法を使い分けるのか

 では、「意見書」と「補正書」は、それぞれどのような場合に使うのがいいのでしょうか?

拒絶理由について、妥当ではないと感じる場合

 特許庁で商標登録の審査をしている審査官も人間なので、審査の判断にあたって思い違いをしている場合があります。この場合には「意見書」による反論が有効です。

 もし反論により特許庁の審査官を説得できた場合には、元々の出願内容のままで審査合格となるため、反論に勝算がある場合には、「意見書」は最も有効な対応策になります。

 ただし、単なる感情論や、商標法の趣旨などから外れた法的に的外れな反論をいくらしても、審査合格にはなりません。そのため、どのような反論をすれば審査合格のチャンスがあるのかを判断できる専門知識や経験が必要になります。

すでに同じ商標が登録されていた場合

 一方、すでに同じ商標が登録されてしまっているなど、審査不合格の判断が妥当と言わざるを得ないときは、出願内容(=求める権利内容)を変更することで審査合格にできる場合があるため、「補正書」による対応が有効です。

 同じ権利がすでに他人に登録されていた場合、かぶってしまうので、別の人がその内容で商標登録をすることはできません。

 でも、商標権は、たとえ全く同じ商標だとしても、使う対象とする「商品・サービス」がまぎらわしくない別分野であれば、「違う権利内容」という扱いになります。

 なので、たとえば次のような場合は、「補正書」で出願内容を「他人とは違う権利内容」に変更することで、審査に合格させることができます。

ただし、補正書は、

  • 商標自体を変更することはできない
  • 商品・サービスは削ることしかできない

というルールがあるので、全く別の内容に変更したい場合は、またイチから出願し直すしかありません。

反論が認められない場合

 拒絶理由通知に対して反論をしても認めてもらえなかった場合には、後日、特許庁から「拒絶査定」(審査不合格)の通知が届きます。いちど反論した上での審査不合格の判定なので、いったん審査はここでひと区切りとなります。

 この後は、「審判」や「裁判」といった審査よりも上級の手続きをとることでさらに反論することもできます。例えるなら、地方裁判所で第一審の判決を受けた後、それを不服として高等裁判所に上訴するようなものです。反論したのに審査では不合格になってしまった場合でも、このように上級審に上げることで審査合格になることもありますが、費用が多くかかり、最終結果が出るまで長い期間がかかります。

審査期間を短縮する方法がある

 特許庁から最初の審査結果が返ってくるまでの期間は、現在は通常約14ヶ月くらいかかっています。とても長いと思われるかと思いますが、これは、特許庁にはたくさんの商標登録の出願が日々寄せられていて、審査の順番待ちが起きているからなので、仕方ないことではあります。

 ただしそんな中でも、一定の条件を満たした場合は、「早期審査」という制度を利用して、通常より審査を早くしてもらうことができます。早期審査の対象として認められれば、通常約14ヶ月かかる審査を、約3ヶ月まで短縮できます。

 詳しくは、こちらの解説記事もご覧ください。

ステップ4 登録

 審査に合格したら、いよいよ最後の「登録」のステップです!

 ステップ3の「審査」で審査合格通知が来たら、そこで終わりではありません。その後30日以内に「登録料」を特許庁に納付することで、はじめて正式に商標登録となります

 出願時の印紙代と同様に、この登録料も印紙代として納付します。登録料の額は、商標登録する商品・サービス「区分」の数によって決まります。

1区分2区分3区分4区分以降…
登録時の印紙代(5年登録の場合)16,400円32,800円49,200円16,400 ×(区分数)円

 登録料を納付したら、約1ヶ月後に「登録証」が特許庁から届き、商標登録完了となります。登録証には、登録された権利の内容や登録番号などが記載されています。

 なお、登録証が届き、「登録番号」がついた時から®️マークが使えるようになります。

最後に、商標登録の流れのポイントをおさらい

 お疲れさまでした! 最後にここまでのおさらいをしましょう。

  • 商標登録の流れは、「調査 → 出願 → 審査 → 登録」の4ステップ
  • 商標登録までの期間は概ね14ヶ月
  • 商標調査が最も重要
  • 拒絶理由が通知されても反論の機会がある
  • 商標登録が完了すると、登録証がもらえる

 商標登録も、全体の流れがわかれば怖くありませんね。お読みいただきありがとうございました!

商標を、武器にしよう。

 

「商標を、安心、カンタンに、もっと活用してもらいたい」

特許業務法人 Toreru では、これまで10,000社以上の企業・大学様の商標登録をサポートしてきました。

我々は、IT技術をフル活用することで、これまでの特許・商標事務所で課題だったペーパーワークの手間を排し、商標調査・出願といった専門業務について弁理士のプロフェッショナル性を100%発揮できる体制を整え、日々改善しています。

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