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「登録商標です」の書き方は?適切に商標を記載して取消しを防ごう!

Webサイトや商品パッケージなどに「登録商標です」と書かれているのを見たことはありませんか?

これを見て「なんでわざわざこんなこと書くんだろう?」とか「商標登録したんだけど、どうやって書けばいいの?」と思った人も多いはず。

実は、この「登録商標です」の表記には意外と深い意味や目的が潜んでいます。

「登録商標です」を使いこなせば、商標権をより効果的にしたり、権利の取り消しを防げたりするので、この記事を読んで書き方やポイントを押さえておきましょう。

1. 「登録商標です」とは?

「登録商標です」と書かれていたら、「登録された商標ですよ」ということを意味します。

たとえば、「 Toreru は 株式会社Toreru の登録商標です。」と書かれていたら、「Toreru」という文字は 株式会社Toreru が登録している(権利を持っている)商標ですよ、ということです。

そもそもなぜ、わざわざ「登録商標です」という表示をするのでしょうか?

それは、商標には「登録された商標」と「登録されていない商標」があるからです。

「登録された商標」には商標権が発生しているため、それを他の人が勝手に使うと権利侵害になる可能性があります。
そのため、自分が使う商標の近くに「登録商標です」と書いておくことで、「この商標は自分が権利を持っているから注意してね(勝手に使わないでね)」と注意喚起したり、「自分のではなく〇〇社の登録商標として表示しているだけですよ」と自己防衛したりしているのです。

「登録商標です」と書かれている実際の例はこちらです。

2. 「登録商標です」の必要性は?

わざわざ「登録商標です」と記載するメリットはあるのでしょうか?

主に3つの効果があります。

  1. 他者への牽制のため
  2. 商標登録を取り消されないため
  3. 普通名称化を防止するため

①他者への牽制のため

自分が登録している商標の場合、他の人がその商標を使うと商標権侵害になる可能性があります。そのため、「私の登録商標だから勝手に使わないでね」と他者を牽制するために「登録商標です」と表示することがよくあります。

ただし、商標権はあくまでもネーミングそのものを独占する権利ではなく、あらかじめ指定した商品・サービスに使う行為を独占できる権利です。そのため、いくら「登録商標です」という表示をして他者を牽制したとしても、他者がその商品・サービスとは無関係に登録商標の言葉を使うことまでは防止できませんので、注意しましょう。

また、自分の商標権を他者が侵害しないように牽制する目的ではなく、逆に自分が商標権侵害として訴えられないように防衛する目的で「登録商標です」の表示を使う場合もあります。

たとえば、上記で例に出した LINE MOBILE のウェブサイトでは、

「Twitter」は、Twitter, Inc.の商標または登録商標です。

と記載されています。

自社(LINE MOBILE)の登録商標であることのアピールではなく、他社(Twitter社)の登録商標であることへの言及ですね。
これは、 LINE MOBILE のウェブサイト中に「Twitter」の文言が説明書きとして書かれていたとしても、「LINE MOBILE の登録商標として勝手に使っているのではなくて、Twitter社の登録商標という文脈で説明用に使っているだけですよ」ということを暗に言っているのです。
このように、「適法に商標を表示しているだけだから訴えないでね」という意味で他者を牽制する目的で「登録商標です」が使われる場合もあります。

②商標登録を取り消されないため

商標が登録されても、それを直近の3年間で一度も使っていなければ、商標登録を取り消されてしまう可能性があります。

(この仕組みを「不使用取消審判」といいます。気になる方はこちらの記事をご覧ください)

もし誰かがこの不使用取消審判を申し立てて「この商標は使われていないんだから登録を取り消せ!」と訴えた場合、商標登録を持っている権利者は、自分の商標登録を取り消されないようにするため「私は登録商標をちゃんと使っていますよ」と証拠を出して主張する必要があります

このとき、「~は~の登録商標です」と記載しておくことで有利に働く場合があります

たとえば、ある実際の不使用取消審判事件(取消2017-300140)では、

「菌活」はホクト(株)の登録商標です。

と記載して商標を使用していたことが有利に働き、商標登録の取り消しを防ぐことができました。

「菌活」のパッケージ画像
パッケージに小さく「『菌活』はホクト(株)の登録商標です。」と記載されており、これが不使用取消審判での判断に有利に働いた(​​取消2017-300140審決公報より引用)

③普通名称化を防止するため

せっかく商標登録できたのに、独自のブランド名ではなく「普通名称だ」と思われてしまうことがあります。

たとえば、『正露丸』はかつて商標登録されていましたが、1971年の裁判にて普通名称であると判断されてしまいました。

(登録商標の普通名称化の例を知りたい方は、こちらも記事もご覧ください)

普通名称化してしまうと、たとえ登録商標だとしても独占できなく(権利行使できなく)なってしまいます。そのような規定が商標法にあるからです(商標法26条)。

普通名称化されたかどうかは、消費者がどのように認識しているか次第で決まります。そのため、普通名称化を防ぐためには、「これは私の登録商標ですよ」と積極的にアピールすることが重要になります。

このように、独自の商標であることをアピールして認知してもらうために「登録商標です」と表示することがあります。

3. 「登録商標です」の書き方

「登録商標です」の書き方には大きく3つあります。

こうじゃなきゃいけない、という決まりは特にありませんが、おおむね次のいずれかの方法で記載していることが多いです。

①「 Toreru は 株式会社Toreru の登録商標です。」

これが一番よく見る記載方法かもしれません。シンプルに、どの商標が誰の登録商標であるかを表しています。

②「 Toreru は 株式会社Toreru の商標又は登録商標です。」

「商標又は登録商標」と書くことで、「商標(未登録の商標)」という意味も含めています

商標権は商標と指定商品(役務)のセットの権利です。
そのため厳密には、自分がその商標を使っている対象の商品・サービスが指定商品(役務)と合っていない場合には、「登録商標です」と表現するのは誤りです。
たとえば、商標『ABC』を商品「被服」で登録している場合、自分は「バッグ」に『ABC』を使っているのに「ABC は登録商標です」と記載するのは正しくありません。

また、いったん登録になった商標(登録商標)でも、何らかの理由で登録が取り消しになったり、権利期間が切れることで未登録商標(単なる「商標」)になってしまうこともあります。
この場合も、「登録商標です」と記載するのは正しくありません。

とはいえ、「登録商標です」の記載をいちいち修正するのは面倒です。

そこで「商標又は登録商標です」と書いておけば、登録商標であろうとなかろうと誤りではなくなります

便利な表記なので、おすすめな記載方法です。

③「 Toreru は 株式会社Toreru の登録商標です。(登録xxxxxxxx)」

末尾に登録番号をつけてよりわかりやすくしている書き方です。

「登録商標です」とだけ書いても、本当なのかすぐにはわかりません。
でも、本当に登録商標なら必ず「登録番号」があります。また、登録番号がわかっていれば登録商標の情報をすぐに検索できます。

登録番号も書き添えておけば、本当に登録商標であることや、どのような登録内容なのかが明確になります。
明確さを重視する場合は、この書き方をすることが多いです。

4. 「登録商標です」は義務なのか

「登録商標です」と書くのは義務ではありません

法律上は、単なる努力義務とされています(商標法73条)。

(商標登録表示)
第七十三条 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、経済産業省令で定めるところにより、指定商品若しくは指定商品の包装若しくは指定役務の提供の用に供する物に登録商標を付するとき、又は指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該指定役務の提供に係る物に登録商標を付するときは、その商標にその商標が登録商標である旨の表示(以下「商標登録表示」という。)を付するように努めなければならない

しかし、商標権を持っている会社にとっては記載することのメリットが大きいので、各社はわざわざ記載しています。

ちなみに、「登録商標です」に変えて®️マークを使用しても同じような効果が期待できます。

なお、この®︎マークの記事でも説明していますが、登録商標でないものに「登録商標です」や®︎マークを付けることは法律違反(刑事罰の対象)となります。
登録していないのに「登録商標です」などと記載するのは絶対にやめましょう。

まとめ

最後にまとめです。

  1. 「登録商標です」は、「登録された商標ですよ」ということをアピールしている。
  2. 「登録商標です」と記載するメリットは、主に次の3つがある。
    1. 他者への牽制のため
    2. 商標登録を取り消されないため
    3. 普通名称化を防止するため
  3. 「登録商標です」の書き方に決まりはないが、3つほどパターンがある。
  4. 「登録商標です」と書くのは義務ではないが、正しく使うと権利者にはメリットがある。

せっかく商標登録をしたのであれば、より効果的に商標登録を活用したいもの。
「登録商標です」の表記を正しく使えば商標登録の効果を高めることができますので、この記事で触れたポイントをしっかり押さえておきましょう!

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