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【実は関東にも!】セイコーマート「北海道最強コンビ二」の魅力とは?~商標視点でツアーします!

はじめに

読者の皆さまは「セイコーマート」というコンビニエンスストアチェーンをご存じでしょうか?

セイコーマートのロゴマークの商標の画像
画像:Toreru商標検索より引用

セイコーマートは、北海道札幌市に本社を置くコンビニエンスストアチェーンです。北海道内では圧倒的なシェアを誇るコンビニエンスストアチェーンであり、そして、過疎地への出店や16時間営業といった大手チェーンとは一線を画す尖った戦略でも知られています。

そんな北海道ご当地コンビニであるセイコーマートですが、実は本州にも店舗があります。茨城県と埼玉県に約90店出店しているのです。

最近、筆者の自宅近くにも新店舗がオープンしました。北海道を訪れた際にセイコーマートを訪れ、その素晴らしさを知っていた筆者にとっては朗報でした。

今回の記事では、そんなセイコーマートの魅力について商標目線でご紹介します。

魅力①: 店内調理のぬくもりをそのままに「HOT CHEF」

セイコーマートの魅力としてまずご紹介したいのは、店内調理システム「HOT CHEF」です。

「HOT CHEF(ホットシェフ)」とは、セイコーマート店内で調理したお弁当・お惣菜をあたたかい状態で顧客に提供するシステムです。

筆者のイチ押しはあたたかい状態で提供されるおにぎり。今回はおかかベーコンをチョイスしました。少し意外な組み合わせですが、おかかの旨味とベーコンの脂がベストマッチなんです。

ちなみに、北海道のコンビニではおにぎりを「おにぎり温めますか?」とたずねる習慣があります。

北海道ファンマガジン|北海道のコンビニで「おにぎり温めますか?」と聞かれるのはなぜ?

そこを先読みして、あらかじめあたたかい状態で提供するセイコーマート、さすがです。

ホットシェフのショーケースの写真。ザンギ、フライドチキン、フライドポテト、おにぎりが並ぶ。
写真:HOT CHEF(セイコーマート古賀駒羽根店)

写真の右側に写るケースの中でおにぎりがあたためられていますね。

なお、セイコーマートでは一定のルールを守ったうえでの店内撮影が認められています。

写真の左側に移るケースではポテトやチキンといったホットスナックがあたためられています。

セイコーマートで特におススメなのがフライドチキンとザンギ。どちらも揚げた鶏なのだから似たようなものでしょう?と侮ってはいけません。全然違います。食べ比べ推奨です。

フライドチキンとザンギの写真
写真:フライドチキンとザンギ(筆者撮影)

フライドチキンはスパイシーさが魅力です。口に入れるとスパイスの複雑なハーモニーが広がります。

このスパイスがなかなか中毒的で、時々無性に食べたくなります。対して、ザンギのほうは生姜の風味が効いた和風の味付け。ご飯との相性もバッチリなので、夕飯のおかずにもおススメです。

さて、ここで商標のお話です。

店内調理で北海道の味を届けるという唯一無二のサービス「HOT CHEF」はもちろん商標登録されてます。

ホットシェフの文字商標の画像。
画像:Toreru商標検索|ホットシェフ\HOT CHEFより引用
ホットシェフのロゴの商標の画像
画像:Toreru商標検索|HOT CHEFより引用

このように文字とロゴ両方とも商標登録されています。店内調理で北海道の味を届けるという唯一無二のサービス。そのネーミングをまもるために、商標登録は欠かせません。

ちなみにロゴのかわいい牛のキャラクターは、セイコーマートのイメージキャラクター「セイちゃん」です。

実はこの「セイちゃん」が登場していない旧ロゴも商標登録が維持されています。

ホットシェフの旧ロゴの商標の画像

画像:Toreru商標検索|HOT CHEFより引用

この旧ロゴを掲げている店舗は現在ほとんどありませんが、2021年11月に記載された記事(note|初代ホットシェフが残るセイコマ)によると、旧ロゴを掲げている店舗がまだわずかに残っているそうです。

もしかすると、このように旧ロゴを掲げている店舗が残っていることが、旧ロゴの商標登録が維持されている理由のひとつなのかもしれません。

魅力②:北海道の実力を遺憾なく発揮するプライベートブランド商品群

たとえそれが茨城県内の店舗であっても、一歩敷地内に足を踏み入れれば、そこはもう北海道。これがセイコーマートの強みです。

そんな北海道らしさを支えるのが、店頭に並ぶ豊富なプライベートブランド商品たち。茨城にいながら北海道の味が楽しめるのはありがたすぎます。

そんなありがたすぎるプライベートブランド商品の中には、商標登録されているものもあります。商品のネーミングも商標登録で保護していることからも、プライベートブランド商品への力の入れようがうかがえますね。

では、商標登録されているプライベートブランド商品をさっそく紹介してゆきましょう。

北海道とよとみしぼりの写真
写真:北海道とよとみしぼり(筆者撮影)

まずは「北海道とよとみしぼり」です。こちらは北海道豊富町産の生乳を100%使用し、牛乳本来のおいしさを大切に乳脂肪分を2.5%に調整してつくられた成分調整牛乳につけられた商品名です。

ちなみに北海道豊富町は日本最北端の街稚内に隣接する町で、町の西側には雄大なサロベツ原野が広がります。そんな雄大な原野からやってきたのがこの「北海道とよとみしぼり」です。

とよとみしぼりの文字商標の画像
画像:Toreru商標検索|北海道とよとみしぼりより引用

次にご紹介するのは「京極の名水」です。

京極の名水の写真
写真:京極の名水(筆者撮影)

セイコーマートにあるお水は、南アルプスの天然水ではなく、六甲のおいしい水でもなく、「京極の名水」なのです。

京極の名水の湧水口は、蝦夷富士とも称される羊蹄山のふもとにある京極町にあります。そんな背景からうまれた「羊蹄山の恵み\京極の名水」というネーミングは商標登録されています。

羊蹄山の恵み 京極の名水の文字商標の画像
画像:Toreru商標検索|羊蹄山の恵み\京極の名水より引用

最後にご紹介するのは「北のサングリアサワー」です。

北のサングリアサワーの写真
写真:北のサングリアサワー(筆者撮影)

北海道十勝産のワインに北海道産のぶどう・いちご・ハスカップの果汁を使用した、まさに北海道オールスター揃い踏みのサワーです。

また、この記事(十勝毎日新聞|十勝ワイン入り「北のサングリアサワー」新発売 セコマ)に記載されているように、北のサングリアサワーは、セコマグループが「道との連携と協力に関する協定」に基づいて手掛けた肝入りの商品です。商標登録出願をおこなったのもそのような背景からかもしれません。

北のサングリアサワーの文字商標の画像
画像:Toreru商標検索|北のサングリアサワーより引用

商標登録されているプライベートブランド商品3銃士。どれもセイコーマートならではの、北の息吹を感じさせる名品です。

魅力③:セコマVSセイコマ 略称バトル

さて、セイコーマートにはネーミングに関する派閥争いがあることをご存じでしょうか。

Jタウンネット|調べてみた! セイコーマートの略称は「セコマ」派と「セイコマ(セーコマ)」派、どっちが多い?

実は、上記の記事のタイトルの通り、セイコーマートの略称は「セコマ」派と「セイコマ(セーコマ)」派に分かれるのです。上記の記事でおこなわれたアンケートの結果によると、「セコマ」派は28.2%、「セイコマ派」は44.8%、「セーコマ」派は27.1%と、どの派閥もなかなかの勢力です。

そんななか、セイコーマートの運営会社は、2016年2月、会社名を「株式会社セコマ」に変更することを発表。このニュースは北海道全土を騒然とさせました。

Jタウンネット|セイコーマート「セコマ」に社名変更で北海道民騒然!「セイコマじゃないのかよ!」「セーコマじゃないのかよ!」

このネーミングに関する一つの派閥争いを商標目線で見てみると、一体どうなっていたのでしょうか。

社名変更発表からさかのぼること数か月、2015年6月5日、新社名である「セコマ」が商標登録出願されました。新社名のお披露目に先駆けて、商標登録出願をおこなったのでしょう。

セコマの文字商標の画像
画像:Toreru商標検索|セコマ|SECOMAより引用

しかし、この日に商標登録出願されたのは新社名「セコマ」だけではありませんでした。なんと「もう一つの」ネーミングのほうも商標登録出願されていたのです。

セイコマの文字商標の画像
画像:Toreru商標検索|セイコマ|SEICOMAより引用

なぜ、新社名となった「セコマ」だけでなく「セイコマ」も商標登録出願されたのでしょうか。その理由を考察してみました。

まず、新社名がなかなか決まらず最終候補に残った2案をどちらも出願したという仮説が考えられます。

例えば、上野動物園のパンダの名前の場合、実際に採用された名前以外の最終候補(と思われるもの)も商標登録出願されていました。これと同じように、「セコマ」と「セイコマ」も商標登録出願までに候補が絞り込めず、両方出願したというパターンです。

しかし、上野動物園のパンダの場合、実際に採用された名前以外は商標登録出願されたものの、途中で出願が取下げられていました。

その一方で、「セイコマ」の商標登録出願は途中で取り下げられずに商標登録されていますし、さらに、2023年2月時点で商標登録が維持されています。

これはなぜなのか。例えば、以下の仮説が考えられます。

新社名を「セコマ」に決定したことを公にした場合、「じゃあ『セイコマ』なら商標登録できるのでは?」と考える無関係の第三者があらわれる可能性があります。このような事態はなんとしても防ぎたい。

「セイコマ」を出願したのは、長年親しまれていた「セイコマ」という呼び名をこのような無関係の第三者に商標登録されてしまうのを防ぐという意図があったのではないでしょうか。

ともあれ、略称でこれだけ論争が巻き起こるのは、「セイコーマート」が道民の生活に根差した存在だからですし、複数の略称が商標登録されているのも、守りたいブランド価値があるから。

これも立派なセイコーマートの魅力ではないでしょうか。

おわりに

今回の記事では、北海道最強コンビニ「セイコーマート」を商標視点でご紹介しました。記事を読み終わったあなたはきっとセイコーマートに行きたくなったはず。

「でも北海道在住じゃないんだよね」

いえいえ、心配ご無用。セイコーマートは埼玉県・茨城県にも勢力を拡大しています。例えば、埼玉県草加市にある「草加マルエー店」、同八潮市にある「ほしの店」、そして同吉川市にある「はしもと店」はいずれも都内から一時間程度の移動で到着でき、多くの方に比較的アクセス可能なのではないでしょうか。

あなたも是非セイコーマートに立ち寄り、その魅力を感じてみてください!

セイコーマート店舗検索

図解でまとめ(グラレコ)

グラレコ_【実は関東にも!】セイコーマート「北海道最強コンビニ」の魅力とは?~商標視点でツアーします!

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