ドメインと商標の関係で気をつけるべきこと3選

  • 2020年10月8日
  • 2020年10月1日
  • 商標

はじめに

 ドメインには、企業名やサービス名がよく使われます。たとえば、商標登録出願サービス Toreru のホームページのURL「 https://toreru.jp/ 」であれば、ドメインは「 toreru.jp 」です。サービス名である Toreru が使われていますね。

 企業名やサービス名といえば商標。ドメインと商標の関係で気をつけるべきことは何でしょうか。

 ポイントは下記の3つです。

 ■ ドメインの使用は商標権の侵害になる場合がある

 ■ 「ネーミング+ドメイン」の商標登録は不要

 ■ 「普通名称+ドメイン」は商標登録できない

 では、ひとつずつ解説してゆきましょう。

ドメインの使用は商標権の侵害になる場合がある 

 ここでは、自分のホームページのドメインを自分の商品に表示したところ、他人の商標権を侵害していると判断されてしまった事例をご紹介します。

モンシュシュ事件(大阪地裁平成23年6月30日判決/大阪高裁平成25年3月7日判決)

http://shohyo.hanrei.jp/precedent/View.do?type=tm&id=10098

リンク:商標判例データベース モンシュシュ事件

原告 菓子メーカーA

登録商標「MONCHOUCHOU/モンシュシュ」の商標権を所有している。指定商品は菓子、パン。

被告 菓子メーカーB

社名を冠したドメイン「mon-chouchou.com」を所有し、そのドメインを使用したホームページで菓子の注文を受けている。

ドメインの一部である「mon-chouchou」を菓子の紙袋に表示している。

 しかし、被告の主張は退けられました。被告の行為は商標としての使用に該当し、原告の商標権を侵害すると判断されたのです。なぜなら、ドメイン名であっても、それを見た消費者がそのドメイン名により商品の出所を識別できる場合には、商標としても機能していると考えられるからです。

 この事件の場合、ドメイン名が被告商品の紙袋等にも表記されており、ドメイン名を商品に表示する行為は被告商品の広告的機能を発揮し、商標としての使用に該当すると判断されたのです。

 この事件で商標権侵害が直接的に認定されたのは、「ドメインを”菓子”の包装用紙袋に表示すること」ですが、判決の中では、「社名を冠したドメイン名を使用して,ウェブサイト上で,商品の販売や役務の提供について,需要者たる閲覧者に対して広告等による情報を提供し,あるいは注文を受け付けている場合,当該ドメイン名は,当該ウェブサイトにおいて表示されている商品や役務の出所を識別する機能を有しており,商標として使用されているといえ」と示されており、ドメイン名をウェブサイト上で使用する行為も場合によっては商標権侵害になり得るものと考えられます。

 なお、商標権は必ず指定商品・役務とセットの権利であり、本事件で被告の行為が原告の商標権を侵害すると認められたのは、被告が「菓子」との関係でドメイン名を使用しており、かつ、原告の登録商標の指定商品に”菓子”が含まれるからです。

 以上のことから、ドメインを取得する場合は、「そのドメインが商標登録されているか」「商標登録されている場合、その指定商品・指定役務は何か」を確認したほうが良いでしょう。

 ただし、商標的な使用であるかの判断はケースバイケースの要素が強いので、心配がある方は商標を得意とする弁護士または弁理士にご相談ください。

「ネーミング+ドメイン」の商標登録は不要

 答え:サービス名が商標登録されている場合「不要」です。

 たとえば、ドメイン「toreru.jp」の場合、サービス名を示しているのは「toreru」部分で、「.jp」部分は特徴がない部分であると言えます。ですので、「Toreru」が商標登録されていれば、「toreru.jp」まで権利範囲に入る可能性が高いです。

 つまり、「Toreru」が商標登録されていれば、他人は「Toreru」はもちろん「toreru.jp」の商標権を取得することはできない可能性が高いです。ですので、他人が自分のドメインを商標登録してしまい、自分のドメインを使用することが他人の商標権侵害になってしまうという事態が起こるリスクは低いと考えてよいでしょう。

「普通名称+ドメイン」は商標登録できない

 ここで少し論点を変えて「普通名称+ドメイン」をサービス名として採用している場合について考えてみましょう。たとえば、「商標.jp」「商標.com」「商標ドットコム」のようなものをイメージして頂ければよいと思います。そのようなサービス名は商標登録されるのでしょうか?

 答え:原則として、商標登録されません。

 理由は、普通名称もドメインも、どちらも特徴がなく、他の商品・サービスとの識別性が発生しないと言えるからです。

 たとえば、「海外送金ドットコム」というサービス名は商標登録出願されていました。しかし、「海外送金」部分も「ドットコム」部分もどちらも特徴がないと判断され、商標登録を拒絶されています。

http://shohyo.shinketsu.jp/decision/tm/view/ViewDecision.do?number=1291662kkk

リンク:商標審決データベース 審判番号 不服2013-20985

 例外として、「普通名称+ドメイン」をロゴにすることで登録が認められる場合があります。

 たとえば、「税理士ドットコム」というサービス名は、ロゴとして商標登録出願されており、登録も認められています。

https://search.toreru.jp/homes/detail?registration_number=5428814

画像・リンク:Toreru商標検索 税理士ドットコム

 ただし、ロゴ化していない「普通名称+ドメイン」であっても、特殊な事情がある場合には商標登録できる場合もあり得るため、他人が商標登録していないか必ず調査しましょう。

まとめ 

 ドメインと商標はどちらも企業やサービスを表す「顔」として重要なものです。どちらもしっかり守るために、今回ご紹介した3つのポイントに注意しましょう。

 ■ ドメインの使用は商標権の侵害になる場合がある

 ■ 「ネーミング+ドメイン」の商標登録は不要

 ■ 「普通名称+ドメイン」は商標登録できない

商標を、武器にしよう。

 

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