Toreru のミッションは「知財の価値を最大化させる」こと。
これまで専門的で分かりにくかった知財の権利取得までの道のりを、カンタンでストレスフリーなものにすべく、クラウド上で直観的に使える「Toreru 商標登録」や「Toreru 特許」といったサービスを公開してきました。
そして2025年、新しいサービス「Toreru 発明支援」が誕生しました!
「Toreru 発明支援」は、ユーザーが抱える課題を入力するだけで、AIが複数の発明アイデアを提案。ユーザーは提案から良いものを選択したり、派生アイデアを書き加えたりするだけで、AIが内容をブラッシュアップし、最終的に「発明ノート」にまとめてくれる、画期的なサービスです。
「Toreru 発明支援」の利用は完全無料ですが、アカウントの作成が必要ということもあり、「ちょっと敷居が高いな」と感じる方がいるかもしれません。また、「何で弁理士法人がわざわざこんなサービスを作ったの?」と不思議に思われた方もいそうです。
そこで、今年の「Toreruの日(10月6日)」特別企画では、「Toreru 発明支援」の発案者&開発者である宮崎CEOをゲストに招き、アカウント作成~実際に発明ノートが完成するまでの誌上レポートや、サービスが出来るまでの裏話を紹介していきます。

答えた人:Toreru 宮崎CEO
目次
1、ゼロから使える「Toreru 発明支援」
ー宮崎さん、今日はよろしくお願い致します。「Toreru 発明支援」、私も面白そうだなと思ったのですが、どう使えばいいんでしょうか?
宮崎:そうですね、今日は一緒にやってみましょう。まずは「Toreru 特許」のトップページから「アカウント作成/ログイン」を選んで、アカウントを作ります。

ーアカウントって作るのがちょっと手間じゃないですか。
宮崎さん:アカウントを作って頂くことで、作った発明ノートを自動保存していつでも見返せるようにしています。また、ご自身が作ったアイデアの情報をアカウントに紐づけて守るためにも、最初に作って頂いています。
ーなるほど、早速、登録確認メールが届きました。メールアドレスとパスワードを決めるだけで使えるようになるのはいいですね。
宮崎:「Toreru 発明支援」はユーザーに広く使ってもらいたいので、できるだけ面倒な登録要素は無しにしています。
ーログインできました。スタートページはこんな感じですね。

宮崎:左側メニューの「発明」をクリックし、右側の利用規約に同意いただければ利用開始できます。「発明する」のボタンからスタートですね。
ー押したら、発明ノートという画面が出てきました。

宮崎:真ん中の「解決したい課題は何ですか?」のテキストボックスに、自分が今、感じている課題を試しに書いてみてもらえますか。
ーうーん、そうですね。超個人的ですが、「アプリゲームにいつの間にか課金してしまう。課金する前に本当に必要か押しとどめてほしい。」とかどうですか?
宮崎:そういう個人的な課題で全然いいですよ。
次にアシストしてもらうAIを選ぶのですが、「スピーディーなAI」と「じっくり考えるAI」では背後で動くAIを変えています。お試しでは「スピーディー」で良いかと思います!AIによって結果が変わりますので、両方試すのもおススメです。
ーテキストを入力して、「解決方法を検討する」ボタンを押しました。おっ、5つも解決方法の提案が出てきました!それぞれに「重要なポイント」と「期待される効果」が書かれていますね。

宮崎:ちょっと違うなと思ったら、「別の解決方法を検討する」ボタンから、再生成も可能です。
ー1つ目のアイデアの「友達承認シェア決済」って、課金前に友人や親に共有して決済を許可してもらう仕組みですね。大人になってこの仕組みは恥ずかしすぎるのでスルーかな・・。
他だと「課金クールダウンシステム」は、課金ボタンを押すと一定時間待機が強制され、タイマーがゼロになるまで課金が実行できず、その間に再考を促す仕組み。効果はありそうですが、ちょっと普通でしょうか。
うん、決めました。この「AI課金理由分析システム」にします!課金前にユーザーが理由を入力し、AIが本当に必要な課金かを判定してくれる仕組みで、面白そうです。

宮崎:いいですね、では「この解決方法で検討する」ボタンを押してください。次は「アイデアをブラッシュアップする」フェーズです。
ー色々と情報が出てきました。一番上の「関連情報」は、どういう見方をすれば良いのでしょうか?

宮崎:まず関連情報には、すでに世の中にある類似サービスが表示されやすいです。類似サービスのリンク先を見ていくと、内容だけでなく、そのサービスが盛り上がっているのか、またはすでに終了しているのかを確認できるので、市場性のチェックにも使えます。
また、アイデアの実現に必要になるだろう技術情報も表示されます。たとえ夢のようなアイデアでも、技術を見ていくと実際に作れるイメージが湧いてくると思います。
ーなるほど、今回は類似サービスは出てきてないので、リリースすれば市場を取れるかもしれませんね。気持ちが上がってきました。
宮崎:関連情報の下の「アイデアをブラッシュアップしましょう」の項目に、AIからの提案が出ていますから、確認してみましょう。

ー結構、提案数がありますね。具体的に盛り込む仕様案ということですね。
この中だと、「左ペインに過去課金理由リストを常時表示」は入れたいかな。毎回、課金理由を1からタイプするのは面倒じゃないですか。他はピンと来ないから、「別の具体案を見る」ボタンから別案を出して・・・おっ、良いアイデアが出てきました。
宮崎:テキストボックスに、直接自分の仕様案も書けますよ。
ーじゃあ、自分のアイデアも1個書いて・・こんな感じでどうでしょうか?

宮崎:3つ目の『非推奨判定時は入力金額にあわせて「その金額で何が買えるか・できるか」という別提案を提示』するのが、自身で書いたアイデアですか、面白いですね。
現状では、AIより人間の方が過去の経験や思い付きによる、飛躍したアイデアを出しやすいです。AIだと現状の延長線上にあるアイデアが多くなるんですね。ここに人間とAIが協働する意味があると思います。
では、「この内容でブラッシュアップする」を押してください。
ーまとめのノートがでてきました!先ほどの3つのアイデアも含まれています。

宮崎:いいですね~、いったんまとまっていると思います。ただ、「Toreru 発明支援」の特長として、AIと対話してもっと改善ができるんです。「さらにブラッシュアップ」ボタンを押してみてもらえますか?
ーおっ、さらに提案が出てきました。

出てきた中では「代替案パネルに同額Amazon欲しいものリスト」は面白いですね。確かに、欲しいものリストを具体的に表示したほうが、課金を抑制できそうです。これは考えつかなかったな。
宮崎:AIを活用するメリットとして「人間の代わりに対話に付き合ってもらい、考えをブラッシュアップできる」ことが大きいじゃないですか。1人でいろいろ考えるよりも、「Toreru 発明支援」でAIとキャッチボールすると、自分のアイデアがどんどん広がっていく点が良いところです。
AIにアイデアを出させるだけでなく、直接書き換えもできますので、思うようにやってみてください。
ーなるほど、これは楽しいですね。Amazon連携以外にも、寄付する選択肢もあったらいいかなと思いました。もろもろ盛り込んだバージョン2のまとめを作りました!

宮崎:バージョン1より機能案が充実しましたね。では「この内容で発明ノートを作成」ボタンを押してください。これで発明ノートの完成です!

ーおー、うまいことまとまっている・・!Amazonの話や寄付の話も反映されてますね。この発明ノートの「解決したい課題」、「解決策」、「期待される効果」の記載の流れは、特許出願を意識しているのでしょうか?
宮崎:特許出願での使いやすさも多少は意識していますが、それ以上に影響を受けたのはTOYOTAで勤めていた時代の改善提案書ですね。
やはり課題から入るのが、読んだ人にとって一番分かりやすいんですよ。また現状、課題は痛みを感じることができる人間が得意な分野です。AIは「課題っぽいもの」を提示はできますが、実際にAI自体が痛みや苦しさを感じるわけではないですから、人間の感覚でないと難しい部分があるなと。
ー完成した発明ノートですが、Toreru に特許出願の相談をするというボタンがあります。それ以外に活用方法はあるでしょうか?Googleドキュメントに落とし込んだりできれば便利かなと思いました。

宮崎:現状でもコピー&ペーストで内容の移植はできるのですが、確かに直接ドキュメントを取得できたほうが便利ですよね。今後のアップデートで検討させて頂きます!
ー今回やってみて、思った以上にカンタンだったのと、自分のアイデアがどんどんAIによって膨らんでいくアイデア会議らしい楽しさがありました。皆さんも是非、試してみていただければと思います!
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2、「Toreru 発明支援」のウラ話や未来図を聞いてみた
ここからは第2部です。宮崎さんにQ&A形式で、「Toreru 発明支援」開発のウラ話や未来図を聞いてみました。
- ①なぜ「Toreru 発明支援」のサービスを作ろうと思ったのでしょうか?
宮崎:AIで明細書の作成支援をするサービスはすでに世にいくつかありますが、発明の出発点となるアイデアもAIで作れれば面白いなと思ったのが出発点です。
また、AIが人間のエージェントとして働く時代の次には、AIが自分でアイデアを出す時代が来ると言われていて、AIがどこまでアイデア出しにコミットできるのか?を検証するためにも制作しています。
- ②開発の中で一番苦労したことは?
宮崎:最初の問いかけから発明ノート完成までのフローです。誰でも発明アイデアを作れるようにするため、どういう流れが良いか頭を悩ませました。
また、課題を入力してすぐアイデアが出て終わり、だとAIに具体的な指示をしたと言えず、「特許を受ける権利」が発生するかという問題があります。そのため、発明ノートの制作過程でユーザーからの具体的な指示が必要なように構成しています。
ただ、一方でAIへの指示を手間だと感じるユーザーもいるので、AIが複数提示してきたアイデアをワンクリックで選択できるようにするなど、ユーザーの負担軽減には気を使っています。「カンタンに、迷わせない」というのは、Toreru サービス全体の設計思想でもあります。
- ③開発にかかった時間は?
宮崎:自然言語による指示だけでプログラムを組める「バイブコーディング」を使い、プロトタイプは10時間ぐらいで作りました。プロトタイプ時点で基本的な機能は備えています。

プロトタイプ版の画面
プロトタイプを作ったあと、しばらく他の仕事が忙しくて止まっていたのですが、サービスとして完成させようと正式に動きだしたのが4月、一般リリースが7月なので、AIプログラミングのスピード力を感じます。
「バイブコーディング」はToreru 内部のシステムにも活用しており、システムを超速で作れるので、ここ1年で業務効率がめちゃくちゃ上がっていますね。
- ④「Toreru 発明支援」に入力した、又は作成した情報の秘匿性は大丈夫でしょうか?
宮崎:Toeru と生成AIサービスの提供会社との間で有償契約を結んでおり、入力されたデータはToreru にも生成AIの提供元にも使用されないような体制になっています。
また、生成した発明ノートなどのアイデアについても、既存の商標・特許サービスと同様に、厳格な情報セキュリティ管理体制(ISMS)に基づいて情報を管理していますので、情報の秘匿性はご安心ください。
- ⑤「Toreru 発明支援」をどのように使ってほしいですか?
宮崎:所内でテストしてもらったときに、事務スタッフから「私でも発明できそう!」という声が上がったのですが、このように発明することへの社会的なハードルが下がればいいなと思っています。
また、裏側で動いている生成AIのモデルが進化すれば、「Toreru 発明支援」で出てくるアイデアのレベルも合わせて向上していきます。
その意味では、1年後などに裏側のAIモデルが変わったときに、「Toreru 発明支援」もめちゃくちゃ進化している可能性があります。AIがどこまで成長するかは私を含め、世の中の誰も予測がつかないので、是非定期的に触って変化を感じてみてほしいです。
- ⑥今後の目標や、拡張予定は?
宮崎:特許検索が出来るシステムも載せて、既存特許を調べられるようにしたいです。また、ユーザーの声として、
・発明ノートに合わせて、制作過程のまとめメモも「参考情報」として閲覧できるようにしてほしい。
・発明ノート完成後にも、ノートを編集可能にしてほしい。
・一度作った発明ノートをベースに「さらにブラッシュアップする」機能を付けて、アイデアをさらに改善できるようにしてほしい。
のような希望を頂いたので、これらも検討して行きたいです。
- ⑦「Toreru 発明支援」が普及したら、発明や特許の世界はどう変わるでしょうか?
宮崎:AIにより特許出願のスピードはどんどん早まっていますが、最初の「アイデアを出す」工程がいまだにボトルネックになっていると思います。
「Toreru 発明支援」のようなアイデア生成支援サービスが普及すれば、誰でも特許出願に繋がるアイデアや発明ノートを作れるようになりますから、発明や特許の数が大幅に増えるのではないでしょうか。
具体例として、YouTubeが普及する前は、TV局ぐらいしか動画での情報発信はできませんでしたが、普及後は誰でも情報発信できるように変化しました。発明の世界でも同様の変化が起こる可能性があります。
残るボトルネックは「課題の発見」だけになっていくのではないでしょうか。
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3、アイデアを作って終わり・・じゃない、AI時代の超速社会実装
Q&Aのインタビューが終わったところで、宮崎さんより一言。
宮崎:先ほど作った「AI課金抑制システム」のアイデア、面白いですよね。試しに「バイブコーディング」でプロトタイプを作ってみますか。30分ほどで出来ますよ。
本当にそんなことができるのでしょうか?半信半疑でしたが、作ってもらうことにします。
☆ここからは「Toreru 発明支援」を離れた延長戦になりますが、AIプログラミングの性能をみてみたい方は少しお付き合いください。
インプットした情報は以下の通りです。
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発明ノート:AIでブレーキ!課金する前に本当に必要か教えるシステム
解決したい課題:スマホゲームの課金はワンタップでできるが、衝動的に無駄遣いしやすい。課金前に必要度を自動判定し、利用を一時ストップできる仕組みが求められている。
課金理由が自由入力だと意図を理解しにくい
過去の課金パターンとリアルタイム比較が必要解決策:AIモデルに過去課金履歴を検索・照合させ、ユーザーが入力した理由の必要度を判定。
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発明ノートのアイデアから、「Amazonで買えるもの提示」など、応用的な要素は省いています。しかしこんな単純な文章だけでプログラムが作れるのでしょうか?
半信半疑でしたが、待つこと20分。最初に上がってきたものを宮崎さんが少し修正指示してさらに10分、本当に30分で完成しました!

ー確かに課金分析システムができている!このテキストボックスに課金理由を入れればいいんですね。じゃあ試しに、「ランキング100位に入るために、ガチャで新規実装されたキャラクターを絶対に引きたいです」と・・。

宮崎:早速AIから回答が出ましたよ。要検討、スコア50で「判断保留」ですね。
ー何と、初回だからこれが基準になるんですかね。では、「1万円では引けなかったので追加でもう1万入れたい」って言ってみてはどうでしょうか?

宮崎:スコア30だから強めに否定しています。これでは課金できませんね。
ーさすがにダメですか。では金額を下げてみては?500円で打診してみます。

宮崎:スコア40なので少し反対が弱くなりましたが、まだダメです。理由付けが弱いんじゃないですか。
ーなかなか厳しいですね・・じゃあ、課金理由を明確にして、今月はこれで終わりと付け加えてみます。

宮崎:今度はスコア70で「AI推奨」、許可が下りました!おめでとうございます。
ーありがとうございます・・って、本当に課金するわけでもないのに手に汗握りましたよ。子供の頃、親に買って欲しい物の交渉をしたのを思い出しました。
それにしても本当にちゃんと動くプログラムがAIに言葉で指示するだけで作れるんですね。体験して驚きました。アイデアが実際に動く形になるのは嬉しいです。
宮崎:これはプロトタイプで、実際にサービスとして提供するにはブラッシュアップが必要ですが、アイデア出しから実際に形にするまでのスピードが「超速化」したのは、今日体験してもらえたと思います。
実は、私自身は今の生成AIに対して、好奇心よりも危機感を抱いているんですよ。急速に進化するAIに対して、弁理士は存在意義を維持できるのか。ユーザーから知的財産権の出願依頼を受けて収益を上げるというビジネスモデルはずっと継続できるものなのか。
知財業務は基本的に「文字」で出来ているので、AIとの相性はあらゆる業界でもトップクラスに良いです。だからこそ代替されてしまうリスクが高い。
「自分たちの仕事がなくなる」という危機感に対して、サバイバルできる道を見つけるために様々なサービスにチャレンジしている側面もあります。
ー確かに技術の進歩は待ったなしですからね。AI時代が進む中、弁理士をはじめとする知財の専門家の仕事の価値はどこにあるのでしょうか?
宮崎:権利化業務はどんどん効率化・コモディティ化していくので、取得した権利をどう事業に生かすか、事業に生かせる権利取得とはどのようなものかという、事業活動とリンクした部分が価値になっていくのではないでしょうか。
また、権利化業務が忙しくてなかなか手が回っていなかった、侵害対策や他社との交渉・ライセンスといった対外業務もクローズアップされていくと思います。
ーAIによって権利化業務が効率化していく中で、人間の役割としてまだ残されている「知財活動にどんな意味があるのか?」、「なぜ知財活動に取り組む必要があるのか?」という意味付けを改めて考え、それに沿った活動をしていくということですね。
宮崎:はい、しかしその部分すらも数年後には変わっているかもしれません。こうしたいという世界を夢見ても、AIの進化がそうさせてくれるか分からない。ともあれ、適応への挑戦は続けていく必要があると思います。
ーただ、人類の歴史を見れば、病気、飢饉、災害、戦いなどの外的要因で「今の環境がどれだけ続くか分からない」時代が大半だった訳じゃないですか。まさに一寸先は闇。
AIの進化で少し先の仕事がどうなるか分からない・・という状況は、実は人類史では自然なことで、我々も過剰に心配したり、技術の進化から目をそらすのを辞めて、新しい環境に身を投じることで見えるものも多いのかなと思います。
本日はありがとうございました!
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