お店に行くと、つい色々見てしまう文房具。こだわりの文具がある方も多いのではないでしょうか?
私は、弁理士試験の勉強を始めてから、ボールペンにこだわるようになり、JETSTREAMを好んで使うようになりました。
その一方で、文具売り場には時々立ち寄り、気になる新商品については試してみたくなり、色々と購入してしまうこともあります。
実は、文房具に関する知的財産は、各メーカーから幅広く出願・権利化されています。
文房具自体が身近なものであり、日頃から目にする機会が多いため、特許図面などを眺めていると「これは、あの文具の特許だ!」とピンとくるものもあったりします。
そこで今回は、文房具にまつわる知財をクイズ形式で紹介していきます。
特許などの図面から、関連する文房具を当ててみてください!
見たことある!使ったことある!というアイテムもたくさん出てくると思います。
問題は全部で10問。図面をもとに、商品名を当てられれば得点です。
半分以上正解すれば「文具スペシャリスト」、満点の方には「文具グランドマスター」の称号を差し上げます。名誉だけではありますが、是非チャレンジしてみてください。
商品名をズバリ当てるのは難しい問題もありますが、「その商品ならではの特長」を考えてみて頂くとより楽しめます。
目次
1.思い出がいっぱい!懐かし文具編
まずは小手調べを兼ねて、懐かしい文具を見ていきましょう。
子どもの頃、みなさんが使っていたものも見つかるかも!?
この章では、商品名が当てられたら10点です。商品名のかわりに、メーカー名だけ分かった場合は5点を差し上げます。
第1問:使っても使っても出てくる、尖った芯!(10点)
こちらの筆記具、使ったことのある方も多いのではないでしょうか?
鉛筆を削らなくても、尖った芯が下から出てくる出てくる…!
使用した芯を上から抜いて、下から差し込むと、次の芯が繰り上がってくる構造です。
答え:レモン株式会社ほか『ロケット鉛筆』
こちらの特許は、1960年代に米国で出願されたものです。こんなに昔から存在していたことには驚きました。
※特許図面(US3338215)は、台湾のメーカーから出願された特許。下のロケット鉛筆の写真はレモン株式会社のWebサイトより引用
第2問:マークシートの試験には必須!?(10点)
続いてはこちらです!形状が特徴的なので、ピンとくる方も多いはず。
そうです!何度も新品の消しゴムを使う感覚になれる、こちら。
答え:コクヨ 『カドケシ』
こちらはデザインが特徴的なことから、意匠登録されています。
10個のキューブをつなげたことで、なんとカドが28個も!使っているうちに次々新しいカドが現れる優れたデザインは、ニューヨーク近代美術館の「MoMAデザインコレクション」(2005)にも選定されています。
カドケシ|商品化された作品|KOKUYO DESIGN AWARD(コクヨデザインアワード)|コクヨ
マークシート式テストなど、細かい箇所をちょこちょこと消す時に活躍しますね。もともとは「コクヨデザインアワード2002」の受賞作で、2003年から商品化が実現。同年にグッドデザイン賞を受賞しています。
もちろん今でも大人気のロングセラー商品です。
第3問:女子に大人気!90年代 手紙交換の必需品(10点)
続いてはこちらのペン。インクの模様に注目です。
インクの部分がマーブル状になっているのがわかるでしょうか。
1990年代後半、私が小学生のとき、クラスの女子の大半が持っていた記憶のある、こちらのペン。
当時、友達同士で手紙交換が流行っており、お手紙を書くときによく使っていました。
同時期に『ミルキーペン』も大流行しましたね。
答え:ゼブラ 『スーパーマーブル』
※リニューアル販売された ゼブラ『サラサクリップ マーブルカラー』も正解
何色かの色のインクが混ざり、ランダムで出てくるので書くたびに色合いが少しずつ違った感じになります。
もともとはゼブラが1999年に発売した『スーパーマーブル』、いったんは廃番になっていましたが、2018年にサラサクリップシリーズからリニューアル販売されました。当時はキャップ式でしたが、最新式のペンはノック式になっています。
第4問:ボタンの位置に注目、復刻版も登場!(10点)
続いてはこちらです。何やらボタンのようなものが見えますね。
このボタンの位置が、当時は新しかったんですよね。どういう構造か、わかるでしょうか?
答え:ぺんてる 『サイドノック式シャープペン ピアニッシモ』
※ ブランド名『ピアニッシモ』だけでも正解
シャープペンの芯を出すためのノック部分は、端部についているのが通常ですね。
一方、このシャープペンは名前の通り、ノック部分がサイドについており、親指を少しずらして押すだけで芯を出すことができるのです。
初めて見たのは小学生の時でしたが、子供ながらに「今までのシャープペンとは何か違う」と思った記憶があります。
こちらのサイド式ノックシャープペン『ピアニッシモ』、2008年に販売終了となっていたようなのですが、2020年に限定復刻されていました。
皆さんが昔使っていた文具はありましたでしょうか?
以上、懐かし文具編でした。
2.使ってみたい!アイデア文具編
次に、アイデアの詰まった文具を見ていきたいと思います。勉強や仕事が少しでも効率的にはかどるようなアイデア文具が、特許出願されていました。
商品名をズバリ当てるのはだんだん難しくなってきますが、メーカー名だけでも当てられれば、半分の5点を差し上げます。是非考えてみてください。
第5問:ファスナーを開けると○○に変身!(10点)
ファスナーを開けることにより、あっという間に変身できるこのアイテムは何でしょうか?
上の画像の右側は、ファスナーを開けた状態の図です。もう分かりましたか!?
答え:コクヨ 『ネオクリッツ』
こちらのペンケースは、自立する形状になっていて、ファスナーを開けるとペンスタンドになります。
従来の横置き状態で使用するペンケースよりも、ペンを探しやすく取り出しやすいですね。そしてデスクの上でも場所も取りません。
社会人になってセミナーを受けるときにも便利な構造ですね。
第6問:持ち替え不要!一本で二役のペン(10点)
続いて第2問目はこちらのペンです!
マーカーを引く作業や、書き込む作業が一本で完結できます。今までありそうでなかったこちらのアイテム。ご存知ですか?
答え:サンスター文具 『NiniPie(ニニピー)』
こちらは、有隣堂さんのYoutubeでも紹介されています。
(1:18あたりから)
2020年12月発売、まだ最近販売開始された文具ですね。1つのペン先にニードルペン&マーカーが搭載されているので、ペンの持ち替えが不要で時短になります。
是非試してみたい文具です。
第7問:ミニサイズのノート?(10点)
続いてはノート型の文房具。
一見、ミニサイズのノートに見えます。単純にサイズが小さいノートであればこれまでにも普通にありそうですね。
どんな便利な秘密が隠れた文房具なのか、わかるでしょうか。
答え:カンミ堂 『リングリーフ』
この商品は、ミニノートから一枚ずつシートを取り外して、ノートに取り付けることができます。
また、シートにはシール面があるので、シール面に保存したい紙類を貼り付ければ、ノートにつないだ状態で保存できます。
リングリーフ | カンミ堂公式ページより
上の例では、リングリーフが土台で、その上に「夕焼けベーリー」のカードを貼り付けることで、ノートの1ページのように差し込んでいます。
「ノートにもともとついているリングワイヤーを活かす」という点が新しいアイデアですね。
こちらも、有隣堂さんのYoutubeで紹介されています。
(5:19あたりから)
第8問:何が付いているの?ペン先に注目!(10点)
続いてはこちらのペンです。ペン先を、よ~く見てみてください。
私は中学生の頃に初めて使い、面白いなと思った記憶があります。
その頃から基本的な構成は変わっていなさそうですね。かなりのロングラン商品です。
答え:三菱鉛筆 『プロパスウインドウ』
商品名の通り、ペン先に「窓」がついています。
この窓から文字が見えるので、マーカーをつい引き過ぎてしまう心配がないというもの。
確かに、はみ出してしまうとちょっと気になってしまうので、そんな方にぴったりの文具ですね。
特許でも「筆記部(マーカー部分)の上側に可視部(窓)を備える」というポイントが請求項にて規定されていました。
以上、どのアイデアも面白く、しっかり特許で守られている文房具を集めてみました。
3.色の商標×文具編
最後に、文房具に関する色の商標をクイズ形式で紹介したいと思います。
商標といえば、会社名やブランド名、ロゴマークなど、文字や記号が主流の印象があると思います。しかし、2015年から「新しいタイプの商標」についても登録できるようになり、その中の一つに、色の商標(正式には色彩のみからなる商標)も含まれています。
そんな色の商標を、2つご紹介します。
まず比較的分かりやすい色の商標から見てみましょう。
第9問:ペンケースに入っている率高めの三色カラー(10点)
これはすぐに分かる方が多そうですね。
ペンケースに入っている確率が高いですよね。目にする機会も比較的多いのではないでしょうか。
この問題は、メーカー名とシリーズ名をセットでお答えください。どちらかだけでは5点です。
答え:トンボ鉛筆 『MONO』シリーズ
消しゴムのパッケージの印象が強いですが、現在では筆記具『モノグラフ』シリーズや、修正テープ、さらにユニクロ『UT』とのコラボなど、ラインナップが広がっています。
MONO | 株式会社トンボ鉛筆 ブランドページ「現在のMONOファミリー」より
「MONO消しゴム」は1969年に誕生した50年以上の歴史を持つロングラン商品です。
「色彩のみからなる商標」は、使用により識別力を獲得・証明しないと商標登録できないとされていますが、MONOの3色カラーはこの証明のハードルもしっかりとクリアし、国内第一号の「色彩のみからなる商標」として登録が認められました。
トンボ鉛筆のHPでは「青・白・黒のトリコロールは高品質のシンボル」と書かれていますが、まさにブランドの価値を象徴するカラーといえるでしょう。
第10問:この色に見覚えは!?(10点)
最後の問題は、こちらです。何の色か分かりますか?
最後の問題ということで、少し難しいかも。やはりメーカー名とシリーズ名をセットでお答えください。どちらかだけでは5点です。
「歴史ある文房具」というヒントで、ちょっと考えてみてください。
答え:三菱鉛筆 『ユニ(uni)』シリーズ
この独特な色は、鉛筆の色でした。
三菱鉛筆の「uni」シリーズは、現在は「ユニ」、「ハイユニ」、「ユニスター」と3種類の鉛筆ブランドがありますが、イメージカラーは共通しています。
どこにもないユニだけの色
軸色は日本の伝統色えび茶色と高級感をイメージしたワインレッドを掛け合わせた、独自の色味です。
ユニ|鉛筆・色鉛筆|三菱鉛筆株式会社ブランドページより
ユニ鉛筆の『uni』は、「ただ一つの」を意味するuniqueから名づけられ、5年もの開発期間を経て1958年に発売されました。「国産最高級鉛筆」として、鉛筆1本が10円の時代に何と1本50円の値付けだったそうですが、高品質が評価されて予想以上の大ヒット。
さらなる高級ブランド、『Hi-uni』は、公式HPでも「世界最高峰の一本」と紹介されており、海外のクリエイターからも熱い支持を受けているそうです。
発売から60年以上、「uni」は三菱鉛筆そのものを表すコーポレートブランドにもなっており、日本鉛筆界、最強のブランドといえるでしょう。
ただ、「色彩のみからなる商標」でも、単一色のみからなる商標の登録は非常にハードルが高く、三菱鉛筆の出願も現在、審判にて登録可否を争っています(2022.3現在)。
登録が認められれば画期的な事例の1つになり、審査結果が注目されるところです。
4.まとめ
ここまで見てきた図面クイズ、皆さんのおすすめ文具はありましたでしょうか?
最後にクイズの点数によって、検定結果を発表します。
0~20点 文具ひよこリスト
21~30点 文具かけだシスト
31~50点 文具くわシスト
51~70点 文具スペシャリスト
71~90点 文具エキスパート
91~99点 文具マスター
100点満点 文具グランドマスター
かなり難しい問題もありましたので、半分以上できた方には文具スペシャリストの称号を差し上げます!グランドマスター級の方は、是非Toreru Mediaの公式Twitterまで「全部できたよ!」とお教えください。
今回は、文房具の特許、意匠、商標を探してみました。
懐かしいものから、最近注目されているアイテムまで幅広く、出願・権利化されておりました。
文具は身近に存在するアイテムであり、内部の構造についても比較的簡単に視認することができ、残念ながら模倣も他業種にくらべると容易です。そのため、知的財産権をしっかりと取得することで、各メーカーが自社のブランド・商品を守ろうとしていることが分かりました。
また、色彩の商標を掘り下げていくと、背景にある各メーカーのブランドへのこだわりや歴史を知ることができました。
歴史ある定番商品も、新たなアイディア商品も、どちらも知財で守られ育っていく。具体的には、機能的に特徴のある部分は特許で、デザインに特徴のあるアイテムは意匠で守られている。そんな知財の理想形の1つが、文具の世界に垣間見られました。
本記事をきっかけに、「身近な商品にも知財あり」と感じていただければ嬉しいです。